目次
- 1 生物の特徴
- 1.1 生物の共通性と多様性
- 1.1.1 暗記問題 生物の共通性4つ
- 1.1.2 暗記問題 進化
- 1.1.3 暗記問題 真核生物と原核生物
- 1.1.4 暗記問題 種
- 1.1.5 暗記問題 真核生物の細胞
- 1.1.6 暗記問題 細胞小器官
- 1.1.7 暗記問題 原核細胞の構造
- 1.1.8 暗記問題 細胞の大きさの単位
- 1.1.9 暗記問題 細胞の構成成分
- 1.1.10 暗記問題 顕微鏡(プレパラートの作成手順)
- 1.1.11 暗記問題 顕微鏡の操作手順
- 1.1.12 暗記問題 接眼ミクロメーターと対物ミクロメーター
- 1.1.13 暗記問題 代謝
- 1.1.14 暗記問題 代謝と酵素
- 1.1.15 暗記問題 代謝(光合成と呼吸)
- 1.1.16 暗記問題 独立栄養生物と従属栄養生物
- 1.1 生物の共通性と多様性
- 2 真核細胞の構造と機能
- 3 遺伝子
生物の特徴
生物の共通性と多様性
★生物ではないもの
ウイルス:細胞膜を持っていない(DNAとタンパク質は持っている)
暗記問題 生物の共通性4つ
生物には共通の祖先がいたことから、生物には共通する4つの性質がある。
・すべての生物は細胞でできている
・遺伝子としてDNAを利用
・ATPを介してエネルギーのやり取りが行われる(代謝)
・内部の安定が保たれている(恒常性)
暗記問題 進化
系統:進化の道筋のこと。
系統樹:進化の道筋を示した図のこと。
暗記問題 真核生物と原核生物
原核生物とは:細胞に核を持たない生物
真核生物とは:細胞に核を持つ生物
*真核生物のうち、植物、動物、菌以外のものを原生生物という。
具体例
★原核生物:大腸菌・乳酸菌など(~菌とつく名のほとんど)、細菌{シアノバクテリア(ネンジュモ、ユレモ、アナバナ)}、好熱菌、メタン生成菌
★原生生物(真核生物):藻類、ゾウリムシ、アメーバ
★菌(真核生物):キノコ、カビ、粘菌、酵母菌
*原核生物、菌類は細胞壁を持つ。
暗記問題 種
解説・ポイント
・種(しゅ)とは:生物の分類上の単位
・約200万種:半分は昆虫種
暗記問題 真核生物の細胞
解説・ポイント
*原核生物の細胞にも、細胞膜、細胞質基質、細胞壁が見られる(核、ミトコンドリア、葉緑体、液胞などは見られない。)
暗記問題 細胞小器官
解説・ポイント
*どこまでを細胞小器官に含めるかについては現在でも混乱が見られる。参考wiki
★二重膜構造の細胞小器官
核:染色体(DNAとタンパク質ができている)が含まれている。
ミトコンドリア:呼吸を行う場。独自のDNAを持つ。
葉緑体:光合成の場。クロロフィルという緑色の色素。独自のDNAを持つ。
*マーグリスによる細胞内共生説
好気性細菌→ミトコンドリア
シアノバクテリア→葉緑体
理由:ミトコンドリアも葉緑体も内外異質の2重膜であること、独自のDNAを持つこと。
★一重膜構造の細胞小器官
液胞:内部の液体は細胞液と呼ばれ、アントシアン(色素)を含む
細胞膜:リン脂質とタンパク質から成る
★膜でない構造の細胞小器官
細胞質基質:原形質流動によって常に動く
細胞壁:細胞壁をもつ生物は植物、キノコやカビなどの真菌類、細菌類であり、動物細胞には存在しない。植物の細胞壁は主にセルロースでできている。
*真菌類とは、キノコ・カビ、単細胞性の酵母、鞭毛を持った遊走子などの多様な形態を示す真核生物をさす。
暗記問題 原核細胞の構造
★原核生物が持っているもの
・細胞膜を持つ。
・細胞壁を持つ。ただし、成分はセルロースでない(糖鎖とペプチドグリカンが主成分)。
・環状DNAを持つ:細胞内でかたまりになって存在している(核がない)
・べん毛を持つ。
・細胞小器官がほとんど発達していない(ミトコンドリア、葉緑体、液胞がない)
・リボソームを持つ。
*哺乳類の赤血球も核がない。
*DNAの抽出実験には、核があるものを使うので、原核生物や哺乳類の赤血球は実験に使えない。
★原核生物の具体例
・細菌:~菌、シアノバクテリア(葉緑体がないけど光合成をする生物:例 ネンジュモ、ユレモ、アナバナ)
・古細菌:好熱菌、メタン生成菌
*菌、酵母菌、粘菌は、真核生物なので注意。
暗記問題・演習
表に〇と✕を入れましょう。
解答
暗記問題 細胞の大きさの単位
1mm(ミリメートル)の1000分の1 = 1μm(マイクロメートル)
1μm(マイクロメートル)の1000分の1 = 1nm(ナノメートル)
★大きさのイメージ
非細胞成分(分子 < ウイルス) < 原核生物 < 真核生物の多細胞の1つ < 真核生物の単細胞生物
具体例
タンパク質
<ウイルス
<原核細胞:大腸菌など原核生物の細胞はやはり小さい
<人の赤血球:血管の中なので小さい
<人の肝細胞:一般的な細胞
<人の卵:生殖細胞は栄養が必要なので大きめ
<ゾウリムシ:単細胞生物は1つで動き回るので大きい
★分解能(2点を違う点だと判断できる・見える能力のこと)
肉眼:0.1mm
光学顕微鏡:0.2μm(マイクロメートル)
電子顕微鏡:0.2nm(ナノメートル)
暗記問題 細胞の構成成分
原核生物:水、タンパク質、核酸
動物:水、タンパク質、脂質
植物:水、炭水化物(セルロースの成分)、タンパク質
暗記問題 顕微鏡(プレパラートの作成手順)
★プレパラートの作成手順:固定 → 解離 → 染色
固定:細胞の生命活動を速やかに止めて,構造を生きている状態に近いまま保つ。用いる薬剤:酢酸、エタノール
解離:細胞同士の結合を緩めて,離れやすくする。用いる薬剤:希塩酸
染色:観察対象に色をつけて,顕微鏡で観察しやすくする。
★染色液
核:酢酸カーミン、酢酸オルセイン
ミトコンドリア:ヤヌスグリーン
細胞壁:サフラニン
液胞:ニュートラルレッド
暗記問題 顕微鏡の操作手順
★語呂合わせ《事前準備の後は、反復横トピ》
事前準備:水平で直射日光の当たらない場所に置く。接眼レンズをつけてから、対物レンズをつける。
反:反射鏡を操作して視野を明るくする
復:プレパラートをステージに乗せる
横:横からプレパラートと対物レンズを見ながら近付ける
トピ:遠ざけながらピントを合わせる
★観察される像は,上下左右すべてが逆転したものになる。
暗記問題 接眼ミクロメーターと対物ミクロメーター
接眼ミクロメーターとは:1メモリの長さが決まっていない定規。数字だけがふってある。
対物ミクロメーターとは:1メモリの長さが10μm(マイクロメートル)のメモリがふってある定規。
問題パターン
①確定で対物ミクロメーターの1メモリが10μmをヒントに、1メモリの大きさがわからない接眼ミクロメーターを求める。
②対物ミクロメーターをステージからおろして、観察したいプレパラートをセットして生物の大きさを測定する。
★接眼ミクロメーターの求め方
メモリが一致している場所を読み取って、等式をたてる。
接眼ミクロメーターの1メモリが分からないので Aμmと置く。
式 接眼ミクロメーターの1メモリAμm × 読み取ったメモリ数 = 対物ミクロメーターの1メモリ(10μm) × 読み取ったメモリ数
暗記問題・演習
下の写真の接眼ミクロメーターの1メモリ分の長さを求めなさい。
解答表示
そして、対物ミクロメーターは1メモリ=10μmと決まっている
式
接眼ミクロメーターの長さ = 対物ミクロメーターの長さ
20A = 50μm
A = 2.5
よって、1メモリあたり、50μm÷20メモリ=2.5μm
暗記問題 代謝
代謝とは:生体内における化学反応全般のこと。同化と異化に大別でき、どちらもATPが使われている。
同化とは:単純な物質から複雑な物質を合成 例 光合成(エネルギー吸収反応)
異化とは:複雑な物質を単純な物質に分解 例 呼吸(エネルギー放出反応)
★ATPは、「エネルギーの通貨」と言われる
イメージ
ごはんをしっかり食べて、仕事をして給料をもらい、お金を使って生活をする
光合成などで有機物を用意し、呼吸をしてATPを合成し、ATPを使って生命活動(筋収縮,能動輸送,物質の合成,発光など)をする
*DNAで登場するのは「デオキシリボース(五炭糖)」なので注意
*AMPは、アデノシン一リン酸
*ADPは、アデノシン二リン酸
暗記問題 代謝と酵素
代謝(生体内の化学反応)は、酵素(触媒作用のあるタンパク質のこと。)によって調整されている。
例 基質(もともとの材料)+酵素→生成物
でんぷん+アミラーゼ→麦芽糖(マルトース)
過酸化水素 +カタラーゼ→水、酸素
麦芽糖+マルターゼ→ブドウ糖(グルコース)
タンパク質+ペプシン→ペプトン
★酵素の特性3つ
・基質特異性
・最適温度:無機触媒なら温度は高いほど活性化するが、生体触媒は最適な温度がある
・最適PH
暗記問題 代謝(光合成と呼吸)
光合成:葉緑体で行われる
呼吸:ミトコンドリアで行われる
暗記問題 独立栄養生物と従属栄養生物
独立栄養生物とは:植物のような,自身で無機物から合成した有機物を消費して生活する生物
従属栄養生物とは:動物や菌類のような,外部から取り込んだ有機物を消費して生活する生物
真核細胞の構造と機能
★細胞の研究者5人
フック:細胞壁の発見
ブラウン:核の発見
シュライデン:植物は細胞からなる
シュワン:動物は細胞からなる
フィルヒョー:すべての細胞は細胞から生じる
遺伝子
★遺伝子とは、①親から子に受け継がれ、②生物の特徴を決める因子のこと。
★グリフィスの肺炎双球菌(病原性のあるS型、病原性のないR型)の実験
マウスに、死んでいるS型と生きているR型を注入すると、マウスがS型に感染して死亡した。
つまり、「死んでいたS型の何かがR型をS型に変化させた」という形質転換があると発見した。
*形質転換を引き起こす犯人まではわからず。
★エイブリーの肺炎双球菌の実験(形質転換を引き起こす物質・犯人を特定)
昔の実験では、犯人の抽出は難しいので、犯人を分解することで特定した。
DNAを分解→形質転換✖️
タンパク質を分解→形質転換○
多糖類を分解→形質転換○
つまり、DNAを分解した場合のみ形質転換が起こらなかったため、犯人はDNAとわかった。
★DNAの基本単位をヌクレオチドという。
リン酸+五炭糖(デオキシリボース)+塩基(アデニン、チミン、グアニン、シトシン:シャルガフが塩基の相補性を発見)
★DNAの塩基計算
塩基の相補的関係からわかること3つ(下写真)
★DNAの2重らせん構造(ワトソンとクリックが発見)
1つのヌクレオチドの五炭糖は、他のヌクレオチドのリン酸とくっつき一本鎖となる。【イメージ:はしごの片方】
→水素結合(AーT、GーC)によって、二本鎖となる。【イメージ:はしご】
→二本鎖がヒストンというタンパク質とくっついて、染色体を作り出す。
★DNAの抽出実験
・核がある細胞を使うので、原核生物や哺乳類の赤血球は実験に使えない。
・2重らせんからヒストン(タンパク質)を取り除くために、タンパク質分解酵素(トリプシン)や煮沸をしたりする。
・DNAはエタノールには溶けないので、エタノールを加えて、ガラス棒に巻き取る。
★RNA:リボ核酸(DNAからタンパク質を発現させるときに仲介役として働く)
RNAの基本単位もヌクレオチドという。
リン酸+五炭糖(リボース)+塩基(A、U:ウラシル、G、C)
1本鎖なので、塩基の相補性の話もなく、分子量も小さいのでRNAの抽出実験では巻き取る形式のものはできない。
★体の設計図のことをゲノムという。ゲノムは、生物種によって固有の本数の染色体から構成されている。人であれば、親から23本の染色体をそれぞれ引き継ぎ、合計2セット(46本)の染色体を持つ。親から引き継いだそれぞれ対応する染色体を「相同染色体」という。
*本でイメージすると、1巻〜23巻の漫画本(染色体)があり、全体で物語(ゲノム)を構成している。母からもらった1巻と父からもらった1巻は似ているので、相同染色体という。1〜22巻を「常染色体」といい、23巻目は「性染色体(女性ならX染色体、男性ならY染色体)」と呼ぶ。
★遺伝子(DNA、染色体)の複製
本でイメージすると、本をコピーするときにまず本を開く。つまり、水素結合を解いて、2本鎖を1本鎖にバラバラにする(鋳型にする)
→DNAポリペラーゼという酵素が働き、半保存的複製を行う(半分古いDNAで、それをコピーして新しいDNAを作る)
★体細胞分裂:母細胞から同じ遺伝子を持つ娘細胞(クローン)を作り出すこと。
★減数分裂:配偶子を作る分裂のこと。
★体細胞分裂の周期(細胞周期)
間期(G1:DNA合成準備期)
→間期(S:DNA合成期)DNAの量がだんだん2倍へ
→間期(G2:分裂準備期)
→分裂期(M期):まず核分裂が行われて(DNA量が半分となって元通り)、細胞質分裂が行われる
*DNA合成期が訪れない細胞がある理由
分裂を終えた細胞は、G1期から分化した状態になっているため。(もうDNAの合成をしなくて良くなった。)
★DNA量の変化
★染色体の培養実験
・1つの染色体は、合計4本の鎖から成る。
・DNAを合成するS期のときに、培養液が放射性同位体を含むと、コピーされる染色体にも放射性同位体が取り込まれて標識される。