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読解力に結びつくキーワード学習
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フットボールの快楽 今福龍太
一つのチームが、孤独な叛乱を最後まで貫こうとしている。役割遵守を前提に守備的布陣を敷く組織的フットボールに背を向け、プレーヤー一人一人の個性と直感力の発露をのびのびと肯定する攻撃的なブラジル。自由な快楽にあふれ、瞬間のプレーに陶酔できるチームをしばらくぶりにワールドカップの場で見たような気がする。
今福龍太さんの著書《最新・入試関連図書一覧はコチラ》
東京大学法学部卒・テキサス大大学院修了・東京外国語大大学院教授・文化人類学者
筆者の見解
攻撃的フットボール
ブラジル
プレーヤーの個性と直感
美しさにこだわる遊戯的なファンタジー
日が暮れるまで時間を忘れて戯れていたあの少年の無垢の「永遠」
現代の主流
役割遵守・組織的守備的フットボール
ドイツ・イングランド・スウェーデン
「勝利」が絶対視
結果だけを求める退屈なリアリズム
芸術と自然 山本健吉
自然に感動しないという心情は、日本の芸術家にはあまりないのではないかと思う。そのことのプラス、マイナスは今は問わぬとして、彼等は自分の技巧のかぎりを駆使した造型物のはてに 自然との一体化 を漠然と考えているようである。ものごとを対立的に捉とらえるという習性が、日本人はヨーロッパ人に比して弱いことが、原因かもしれない。自然と人工、あるいは芸術という関係を、対立的には考えなかった。人工の行き着くはてに、自然を見た。明治以後、英語のネイチュアの訳語として、自然という熟語は作られた。それ以前には、自然とは、ジネンと読んで、本来そうであること、「あるべきやう」に言った。むしろ、造化が自然界を意味したが、それは単に、人間に対する自然なのではない。それは、人工物に手を貸して完成させてくれる働きのことで、日本人の芸術観、あるいは美意識の根底には、どうもそのような思想があるようだ。そういった働きが自然にあるということは、やはり自然に生きた生命を感じていることである。生物と同じく、地水火風といったものにも生命を感じ、威力を具えた霊的存在を感じている。アニミズムの思想を、日本人は心のどこかに、今も失わないでいる。自然のなかのその霊的なものを、自分の作り出した作品にも宿すことが、日本の芸術家たちの願いとなる。形を作りだすということは、あらゆる芸術家たちの願いであるが、日本の芸術家たちはその先を考える。造型は第一の目標でなく、その先に生命を究極の目標として考えている。芭蕉は「ものの見えたる光、いまだ心に消えざる中うちに言ひとむべし」と言う。目標は「かたち」でなく、「ひかり」であり、「いのち」である。
山本健吉さんの著書《最新・入試関連図書一覧はコチラ》
慶應義塾大学国文学科卒・文芸評論家。
日本の芸術論
松尾芭蕉
芸術の行き着く先に自然を見る
「かたち」・造型の先の「ひかり」「いのち」重視
アニミズムの思想
ヨーロッパの芸術論
アンドレ・マルロー
芸術と自然との対立的関係
「かたち」・造型重視
「モードが違う」佐藤雅彦(まさひこ)
僕達は、いろんな立場や状態、つまり「モード」を持っている。母親としてのモード、友達としてのモード、政治家としてのモード、父親としてのモード、医者としてのモード、 いろんなモードがある。そしてモードが変わると、生きるスピードが変わり、見えてくるものも違ってくる。
モードの取り違いは、まわりから見れば人間的でほほえましい場合も多いが、当事者達にとっては、関係をこわされるくらい、致命的なこともある。
佐藤雅彦(まさひこ)さんの著書《最新・入試関連図書一覧はコチラ》
東京藝術大学大学院 映像研究科教授、慶應義塾大学 環境情報学部特別招聘教授。
「時間論」茂木健一郎
次から次へと目新しく変わる情報がもたらされる現代社会では、むしろ退屈することが一つの才能である。一見新しく見えても、実はあまり代わり映えしないではないかとメタ認知を立ち上げることが重要である。現実に存在するものとは異なる仮想の流れを思い浮かべ、希求することが創造性の一つの水脈であるとすれば、退屈はその入り口になり得る。
茂木健一郎さんの著書《最新・入試関連図書一覧はコチラ》
脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学特別研究教授。
《一般論》
有限の人生・現実
現代社会=目新しく情報がもたらされる、忙しい
《筆者・茂木健一郎》
無限の可能性・メタ認知
仮想・創造性・志向性
退屈=有限を無限に変える錬金術
漢字・語句
ひそう(意味:物事の表面、上っ面だけ・表層)な現実
掠める
さっと盗み取る。 「財布を―」
目をごまかす。くらます。 「親の目を―」
触れるか触れないかのところを通り過ぎる。「銃弾が頭を―」
ちょっかんとは、理性を働かすというより、感覚的にただちにとらえること。
ちょっかんとは、推理によらず、直接的・瞬間的に、物事の本質をとらえること。
直観 intuition 思索によらずに直接に対象を捉えること。
設問パターン《誤りの選択肢の典型例一覧》
読解は精読を心がける。
「結論とその理由」
「時系列(Aの後、B、最後にC)」
「文字通りの解釈か比喩表現か」
「主題となる対比構造の把握」など全ての日本語の表現に気を配ろう。
このような読解が浅いと、ひっかけ問題に出くわす。
逆に、ひっかけ問題のパターンを知っておけば、どう読解をしていけば良いかがわかり、今後の読解力が深まること間違いなし。
主題となる対比構造のすり替え
小説にも主題となる対比構造がある。《主人公の成長before、after》などの対比があり、似たような表現で惑わせて来るので、語句をしっかり把握すること。
比喩表現などを文字通りに解釈
小説などに多いが、文字通りに解釈した表現は誤り。
例 岡本かの子さん、小説「鮨(すし)」
「今のは、たしかに、ほんとうの魚に違いない。自分は、魚が食べられたのだ──」そう気づくと、子供は、はじめて、生きているものを噛み殺したような征服と新鮮を感じ、あたりを広く見み廻まわしたい歓びを感じた。むずむずする両方の脇わき腹ばらを、同じような歓びで、じっとしていられない手の指で掴み掻かいた。
✕ 心が自由になって急に視野が広くなったような歓び
〇 難しいことができたことを胸を張って示したいような歓び
不当な全称・限定表現
本文中の記述がないのに、「すべての~は」「あらゆる~は」と勝手に拡張している表現は誤り。
本文中の記述がないのに、「○○のみ」「○○だけ」と勝手に縮小してしまっている表現は誤り。
間違いではない可能性があるが、本文中に記述がない
本文中の記述にはいっさい書いてない内容を勝手にのせている選択肢は、本文には書いてないだけで、間違いとはいえない可能性がある。
この場合は、明らかに間違っている選択肢だけを選ぶ必要がある。
現代文のプロ講師がおススメする問題集
上からレベル順(共通テスト~難関私大および国公立大二次向け)に並べてあります。
入試現代文へのアクセス 基本編 (河合塾シリーズ)
入試現代文へのアクセス 発展編 (河合塾シリーズ)
入試現代文へのアクセス 完成編 (河合塾シリーズ)
入試精選問題集 7 現代文 4訂版 (河合塾シリーズ)
現代文と格闘する (河合塾シリーズ)
現代文を得意にするために
解法の手順
1.大まかなテーマおよび結論、キーワードと対比の見当をつける。
本文末の書名(タイトル)をみる。
設問の傍線部と問題文をざっと読む。ただし、先入観ができてしまうため、選択肢まで読んではいけない。
本文最後の数行をさきに目を通す。
2.約半数は全文を読みとおさないと解答できないため、本文を冒頭から読む。
選択肢を読み、設問の傍線部にあたるたびに、その時点でしぼれるものはしぼる。読んでいる途中で判断できないものは先送りにする。
記述式問題解答へのガイドライン
1.字数指定の八割以上書くことがのぞましい
2.原則的にキーワードごとに得点を与える(加点制)なので、余分なことを書いたとしても減点はされない。重要と思った語句を記入してみる。
3.AではなくBである(対比表現で書く)
4.具体例は原則としてカット
現代文の復習のやり方について
設問をもう一度解き直すのではなく、文章を読み物として再読することがおススメ。
どんどん新しい問題に次々チャレンジしていきましょう。