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書評と実践『配当成長株投資のすすめ』|世界的投資家に共通するルールを探る

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『配当成長株投資のすすめ』基本情報

書名:『配当成長株投資のすすめ―金融危機後の負の複利を避ける方法』

著者:デビッド・L・バーンセン(David L. Bahnsen)
監修者:長岡半太郎
訳者:藤原玄
日本語版出版社:パンローリング株式会社
発行日:2020年9月3日(書籍版)
原題:The Case for Dividend Growth: Investing in a Post-Crisis World

ジャンル:株式投資・高配当株投資・長期資産形成
主なテーマ:配当成長株、連続増配、複利と配当再投資、減配リスク、キャッシュフロー、財務分析、インフレ対策、長期投資

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著者:デビッド・L・バーンセン(David L. Bahnsen)とは

デビッド・L・バーンセン(David L. Bahnsen)は、
アメリカの資産運用会社「ザ・バーンセン・グループ(The Bahnsen Group)」の創業者であり、最高投資責任者(CIO)を務める投資家です。

カリフォルニア州ニューポートビーチとニューヨークを拠点に活動し、本書の日本語版刊行当時の著者紹介によれば、約15億ドルの資産を運用する資産管理会社を率いていました。
また、金融専門誌『バロンズ(Barron’s)』や経済誌『フォーブス(Forbes)』、『タイムズ(Times)』などで、アメリカのトップアドバイザーの一人として評価された実績があります。

バーンセンから取り入れるべき投資ルール(銘柄選定の本質)まとめ

バーンセンが重視しているのは、現在の配当金だけではありません。
企業が長期にわたって利益を生み、その利益を株主に還元し続ける能力そのものです。

本書の投資哲学を、実際の日本株・米国株の銘柄選定に活用できるよう、8つの投資ルールとして整理しました。

まずは、著者が明示した2つの銘柄選定基準

本書の第10章では、投資候補を絞り込むための具体的な基準が示されています。

① 現在の配当利回りがS&P500の配当利回りを上回ること
② 過去5年間の配当成長率が年率およそ5%を超えること

この2つは、著者が示した実際のスクリーニング条件です。

重要なのは、最初から配当利回りの高さだけを求めていないことです。
現在の配当利回りに加えて、過去の配当成長実績を確認しています。

ただし、著者はこの2条件だけで株を購入するわけではありません。
候補を絞った後、企業の財務状態、キャッシュフロー、ビジネスモデル、経営者の資本配分能力などを分析しています。
つまり、この2条件は購入の最終判断ではなく、優良な配当成長株を探すための入り口です。

なお、S&P500を比較対象とするのは、著者が米国株を念頭に置いているためです。
日本株に応用する際は、比較対象を日本市場に置き換えるなど、別途判断する必要があります。

【実践】日本株を購入する際の8つのチェックリスト
投資ルール① 企業の質|長期的に利益を生み出せる企業を買う
投資ルール② 配当成長|現在の利回りだけでなく、増配率を見る
投資ルール③ 配当持続性|減配しにくい財務健全性を持つ企業を選ぶ
投資ルール④ 資本配分|経営者は利益を合理的に使っているか
投資ルール⑤ 割安さ|どれほど優れた企業でも、購入価格を無視しない
投資ルール⑥ インフレ耐性|将来の購買力を守れる企業を選ぶ
投資ルール⑦ リスク分散|1社の減配で投資計画を崩壊させない
投資ルール⑧ 投資目的|株価を追いかけず、成長する現金収入をつくる

※この8項目は、本書全体の投資哲学を私が実践用に整理したものであり、著者が公式に8項目として提示したものではありません。

投資ルール① 企業の質|長期的に利益を生み出せる企業を買う

配当成長株投資で最初に考えるべきことは、その企業が長期的に利益を生み出せるかどうかです。
仮に現在の配当利回りが高くても、事業が衰退していれば、将来の配当は危険にさらされます。
反対に、競争力のある事業を持ち、安定的に利益を成長させられる企業は、配当を増やすための経済的な基盤を持っています。

そのため、銘柄選定では次の項目を確認します。

– 売上高・営業利益・EPS(1株当たり利益)が成長しているか。
– 長期間にわたり利益を生み出しているか。
– 競合企業に対する強みがあるか。
– ビジネスモデルを自分自身で理解できるか。
– 将来もその事業が必要とされる理由があるか。

特に重要なのは、過去の成長実績だけではありません。
「なぜ、この企業は10年後も利益を稼ぎ続けられるのか?」
この問いに対して、具体的な理由を説明できる企業を選びたいと考えています。

投資ルール② 配当成長|現在の利回りだけでなく、増配率を見る

配当利回りの高さと、配当成長率の高さは別物です。

例えば、次の2つの企業があったとします。

| 比較項目 | A社 | B社 |
| 現在の配当利回り | 5% | 3% |
| 年間配当成長率 | 0% | 10% |
| 配当の特徴 | 高配当だが横ばい | 低配当だが増配 |

最初に受け取れる配当金はA社のほうが多くなります。
しかし、B社が年率10%の増配を長期間継続できれば、将来の年間配当収入がA社を上回る可能性があります。

もちろん、毎年10%の増配が保証されるわけではありません。
それでも、長期投資では、現在の利回りだけでなく、将来の配当成長を考慮する必要があります。

そこで私が確認するのは、次の3点です。
– 過去5年間の配当成長率(CAGR)
– 過去10年間の増配・減配履歴
– 今後も増配を継続できる利益成長の根拠

過去5年間の配当成長率は、次の計算式で求められます。
配当CAGR={(直近の年間配当÷5年前の年間配当)の5乗根-1}×100
ただし、株式分割、記念配当、特別配当などによる一時的な変化は区別して分析する必要があります。

私が目指したいのは、「購入時の配当利回りが高い株」ではなく、
「購入時の利回りも魅力的で、将来の配当も増えていく株」です。

投資ルール③ 配当持続性|減配しにくい財務健全性を持つ企業を選ぶ

配当成長株投資で警戒すべきリスクの一つが、減配です。
企業が配当を支払うためには、実際に現金を用意しなければなりません。
帳簿上で利益を計上していても、それと同じ額の現金が手元にあるとは限りません。
そのため、本書では会計上の利益だけでなく、キャッシュフローや財務健全性を重視しています。

具体的には、次の指標を確認します。

| 財務指標 | 確認する理由 |
| 配当性向 | 利益に対して配当負担が過大ではないか |
| フリーキャッシュフロー(FCF) | 配当を支える現金創出力があるか |
| 営業キャッシュフロー | 本業から継続的に現金を生み出しているか |
| 自己資本比率 | 財務基盤が健全か |
| 有利子負債 | 借入金に過度に依存していないか |
| 利益の安定性 | 不況時にも配当を維持できるか |

特に警戒したいのが、株価の下落によって配当利回りが異常に高くなっている企業です。
例えば、年間配当50円、株価1,000円なら配当利回りは5%です。
ところが、業績悪化によって株価が500円まで下落すると、配当が変わらなければ利回りは10%になります。
一見すると魅力的ですが、企業の収益力が失われていれば、将来減配する可能性があります。
高配当利回りは、割安の証拠である場合もあれば、減配リスクを示す警告である場合もあるのです。

なお、配当性向やFCFは業種によって特徴が異なります。
単年度の数字だけで一律に判断せず、複数年の推移と事業構造を確認することが重要です。

投資ルール④ 資本配分|経営者は利益を合理的に使っているか

優良企業とは、利益を稼ぐだけでなく、その利益の使い方にも優れている企業です。

企業が利益を稼いだとき、経営者には複数の選択肢があります。
– 新規事業や設備投資に使う。
– 借入金を返済する。
– 他社を買収する。
– 自社株買いを行う。
– 株主に配当を支払う。

著者は、企業が稼いだ利益をどのように配分するかという経営判断を重視しています。
例えば、無理な借入れをして自社株買いを実施すれば、短期的にはEPSが改善しても、企業の財務リスクが高まる可能性があります。
また、利益をすべて内部留保すれば、それだけで株主価値が高まるとも限りません。

大切なのは、成長投資と株主還元のバランスです。
そこで私は、配当成長の実績に加えて、経営者の資本配分能力や株主還元方針も確認することにします。
「その企業は、稼いだ利益を本当に株主を豊かにするために使っているか?」
これは、将来の配当成長を見極める重要な問いです。

投資ルール⑤ 割安さ|どれほど優れた企業でも、購入価格を無視しない

良い企業と、良い投資対象は必ずしも同じではありません。
どれほど優れた企業であっても、株価が高すぎれば、将来の投資収益が小さくなる可能性があります。
反対に、優れた事業を持つ企業が、一時的な市場環境によって安く評価されていれば、魅力的な購入機会になるかもしれません。

そこで私は、次の指標を確認します。
– PER(株価収益率)
– PBR(株価純資産倍率)
– ROE(自己資本利益率)
– 同業他社との評価倍率の比較
– 過去の株価評価との比較
– 配当利回りと配当成長率の関係

ただし、PERが低ければ必ず割安というわけではありません。
企業の成長性や利益の安定性、財務リスクによって、適正な株価評価は異なります。
そのため、「なぜ、この企業が現在の株価で買われているのか?」を考える必要があります。

割安である理由を説明できない銘柄を、PERやPBRの低さだけで購入しないようにします。

投資ルール⑥ インフレ耐性|将来の購買力を守れる企業を選ぶ

資産形成の目的は、お金の額面を増やすことだけではありません。
将来、生活に必要な商品やサービスを購入できるだけの購買力を維持・向上させることも重要です。
仮に毎年3%の配当を受け取っていても、物価が年5%上昇していれば、配当収入の購買力は低下してしまいます。

著者は、インフレに対応できる企業の特徴として、価格上昇を利益に転換できる力を重視しています。
例えば、原材料費や人件費が上昇しても、自社の商品・サービスの価格を引き上げられる企業なら、利益を維持・成長させられる可能性があります。

そこで確認したいのは、次の点です。
– 商品・サービスの価格を引き上げる力があるか。
– コスト上昇を顧客に転嫁できるか。
– インフレ時にも利益率を維持できるか。
– 配当成長率が長期的な物価上昇を上回る可能性があるか。

「この企業は、10年後の物価上昇に負けず、株主の購買力を守れるだろうか?」
この視点を持つことで、現在の高利回りだけでは見えない企業の価値を考えられるようになります。

投資ルール⑦ リスク分散|1社の減配で投資計画を崩壊させない

どれほど慎重に企業を分析しても、将来の減配を完全に予測することはできません。
優れた企業であっても、予想外の不況、競争環境の変化、経営判断の失敗などによって業績が悪化する可能性があります。

著者は、個別銘柄の減配リスクを認めたうえで、ポートフォリオ全体の配当収入を安定させる考え方を重視しています。
そのため、特定企業に資金を集中させるのではなく、異なる事業や業種へ分散させることが重要です。
例えば、複数の高配当株を所有していても、その多くが同じ景気変動の影響を受ける企業であれば、十分に分散できているとは限りません。
購入する際には、その企業単体の優劣だけでなく、保有銘柄全体の構成も確認します。

「この企業が減配したとしても、自分の配当収入全体への影響は限定的か?」
長期的に安定した配当収入を得るためには、企業を選ぶ能力と、リスクを分散する能力の両方が必要です。

投資ルール⑧ 投資目的|株価を追いかけず、成長する現金収入をつくる

私が株式投資をする最大の目的は、働かなくても収入が得られる仕組みを構築することです。
そのため、短期的な株価の上昇だけを投資の成功とは考えていません。
長期間にわたり企業を保有し、配当を受け取り、その配当を再投資することで、将来の配当収入を増やしていくことを目指します。

バーンセンは、配当成長と配当再投資による複利の力を重視しています。
この仕組みには、2つの成長要因があります。
① 企業が増配することで、1株当たりの受取配当が増える。
② 受け取った配当を再投資することで、保有株数が増える。
この2つが組み合わさることで、長期的な配当収入の成長を期待できます。

ただし、企業の増配も、株価の上昇も保証されているわけではありません。
だからこそ、配当の持続可能性を重視し、長期間保有する価値のある企業を選ぶ必要があります。

私が最終的に目指すのは、「株を売って利益を得る生活」ではなく、
「所有する企業が生み出す現金収入によって生活できる状態」です。

【独自ルール】私が日本株を買うための具体的な条件

さらに、私自身の投資目的に合わせて、次の数値条件を設けています。

第1条件:購入時の予想普通配当利回りが原則4.5%以上
現在の配当利回りを重視します。
ただし、記念配当や特別配当によって一時的に高くなった利回りは区別します。

第2条件:過去5年間の実績配当成長率が年率5%超
著者の基準を参考に、配当CAGRを確認します。単なる無減配ではなく、実際に配当が成長していることを重視します。

第3条件:配当を支える利益・キャッシュフロー・財務が健全であること
高利回りであっても、配当性向が過大であったり、現金創出力が不足していたりする企業は購入を見送ります。

第4条件:企業の質と株価を総合して、長期保有する合理性があること
PERやPBRが低いだけでは購入しません。
事業の競争力、利益成長、経営者の資本配分能力などを確認します。

第5条件:条件を満たす企業がなければ、無理に購入しないこと
購入対象となる企業が見つからなければ、0社という結論も受け入れます。

※これらは本書の考え方を参考に私が設定した独自の購入条件であり、バーンセンが示した公式のスクリーニング条件とは異なります。

結論|本当に買うべきなのは、高配当株ではなく「配当を成長させ続けられる企業」

本書を読み終えて、私の投資判断で最も大きく変わったのは、**配当利回りの高さだけで企業を評価しない**という考え方です。
配当利回りが5%でも、将来減配してしまえば、当初の投資計画は崩れるかもしれません。
反対に、現在の利回りがそれほど高くなくても、企業の利益と配当が長期的に成長すれば、将来大きな現金収入をもたらす可能性があります。
だからといって、現在の配当利回りを軽視するわけではありません。

優れた企業であること。
配当を成長させる能力があること。
そして、魅力的な価格で購入できること。
この3つを同時に追求していきたいと考えています。

世界的投資家たちの投資哲学を比較するうえでも、今回の本から重要な仮説が得られました。
それは、「優れた投資家は、株価の短期的な予測よりも、企業が長期的に生み出す経済的価値を重視しているのではないか」というものです。
この仮説が本当に世界的投資家たちに共通するのか、今後もほかの投資本を読み、検証していきます。

そして、学んだ知識は実際の株式投資に活用し、投資判断とその結果を記録していきます。
知識を学ぶだけで終わらせず、投資ルールとして実践し、検証し続ける。
それが、この書評シリーズの最大の目的です。

バーンセン基準を実際の日本株に当てはめて買ってみた

本を読んだら、すぐに小さく実践してみることです。
『配当成長株投資のすすめ』で学んだ投資ルールは、実際の株式投資に役立つのでしょうか。

そこで私は、本書から抽出した8つの銘柄選定基準を使い、実際に日本株の購入候補を探してみました。
目標は、現在の配当利回りが高いだけでなく、10年後、20年後も配当を成長させることが期待できる企業を見つけることです。

以下は、2026年10月10日時点の調査記録です。
株価は直近取引日の10月9日終値を使用しています。

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【世界的投資家たち】
ピーター・リンチ氏
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ジョージ・ソロス氏
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それでも全員に共通していたことをまとめます。

《編集中》

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