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【宅建対策】法令上の制限(都市計画法)《最短合格法|単元別インプットと過去問演習》

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宅建試験で、法令上の制限から毎年8問出ているが、そのうちの2問が都市計画法からの出題。

都市計画法では、数字を暗記しよう!

全体像~論点一覧~

都市計画区域・準都市計画区域→ 街づくりをする場所を指定する
都市計画の内容・決定→ 街の設計図を描く
都市計画制限→ 都市計画に違反する行為を規制する
都市計画事業→ 都市計画のとおりに街づくりを進める

都市計画区域・準都市計画区域

都市計画区域とは

「都市計画法」とは
計画的な街づくりの方法を規定した法律である。

「都市計画区域」とは、
都市計画を定める対象となる場所として指定される区域のことをいう。

誰が指定するか

都市計画区域は、原則として、都道府県が指定する(5条1項前段)。
都道府県は、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通大臣に協議し、その同意を得た上で指定する(同条3項)。

ただし、2以上の都府県の区域にわたる都市計画区域は、国土交通大臣が、あらかじめ、関係都府県の意見を聴いて指定する(5条4項前段)。

ポイント整理
原則:1つの都道府県に「都市計画区域」を指定する場合
都道府県が、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通大臣に協議し、その同意を得て指定する。

例外:2つ以上の都府県にわたって「都市計画区域」を指定する場合
国土交通大臣が、あらかじめ、関係都府県の意見を聴いて指定する。

どこに指定するか

都市は、都道府県や市町村等の行政区画とは無関係に発展する。

そこで、都市計画法は、一体の都市として総合的に整備し、開発し、保全する必要があると認められるときは、都市計画区域を行政区画とは無関係に指定できるものとしている(5条1項後段、4項)。

準都市計画区域とは

都市計画区域外の場所であっても、例えば、高速道路のインターチェンジなど、周辺で大規模な開発や建築が行われる場所が全国のあちこちで見られるようになった。

街づくりはしないものの、乱開発を防止し、環境を保全するために、都市計画区域とほぼ同様の規制をかけることを目的として、都市計画区域外の場所について、「準都市計画区域」として指定できることとされている(5条の2)。

誰が指定するか

準都市計画区域を指定すべきかどうかの判断は、広域的な視点で規制をかけることができる都道府県に任せることが適当。
よって、都道府県が、あらかじめ関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴いて、指定する(5条の2第2項)。

都市計画の内容

都市計画区域が指定されると、街づくりのプランを決める。

「都市計画」とは、
都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画のことをいう(4条1項)。

都市計画の11種類

① 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(基本方針:マスタープラン)
② 区域区分(市街化区域、市街化調整区域)
③ 都市再開発方針等
④ 地域地区(用途地域等)
⑤ 促進区域
⑥ 遊休土地転換利用促進地区
⑦ 被災市街地復興推進地域
⑧ 都市施設(道路、公園など公共施設)
⑨ 市街地開発事業(大規模な街づくり)
⑩ 市街地開発事業等予定区域
⑪ 地区計画等(小規模な街づくり)

都市計画と都市計画区域・準都市計画区域との関係

都市計画区域は、上記「都市計画の種類」①~⑪の11種類すべての都市計画がその策定の対象となる。

都市計画は、原則として、都市計画区域ごとにその都市計画区域内で定めることとなる。
ただし、都市施設(道路、公園など公共施設)に関する都市計画は、都市計画区域外においても定めることができる(11条1項)。

区域外都市施設とは
都市計画区域外において定められる都市施設(道路、公園など公共施設)をいう(6条の2第3項)。

準都市計画区域について定める都市計画

準都市計画区域は、8種類の地域地区に関する都市計画のみがその策定の対象となる(8条2項)。
他の都市計画を定めることはできない。
① 用途地域
② 特別用途地区
③ 特定用途制限地域
④ 高度地区
⑤ 景観地区
⑥ 風致地区
⑦ 緑化保全地域
⑧ 伝統的建造物群保存地区

ただし、「区域外都市施設」を、準都市計画区域内に定めることはできる(6条の2第3項)。

都市計画の種類① 基本方針マスタープラン

都市計画区域については、都市計画に、その都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(マスタープラン)を定めることとされている(6条の2第1項)。

都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(マスタープラン)とは
都市計画区域全域を対象として、都道府県が、1つの市町村の枠を超えた広域的な見地から定める、都市計画の基本的な方針のこと。

その内容は、次のとおりである。

【都市計画区域の整備、開発及び保全の方針の内容】
① 区域区分の決定の有無及び区域区分を定めるときはその方針
② 都市計画の目標
③ その他土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針
上記の内容のうち、①の事項は定めるものとされており、②及び③の事項は定めるよう努めるものとされている。

都市計画の種類② 区域区分(市街化区域、市街化調整区域)

区域区分とは
「市街化区域と市街化調整区域との区分」のこと。

市街化区域とは
すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域
イメージ:積極的に街づくりをする場所

市街化調整区域とは
市街化を抑制すべき区域
イメージ:今のところは街づくりを行わない場所

線引きとは
都市計画区域を、市街化区域と市街化調整区域に区分すること。

都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分を定めることができる(7条1項柱書)。

区域区分が定められる場合、その都市計画区域内の土地は、市街化区域か市街化調整区域のどちらかに属することになる。
すなわち、これらのどちらにも属さない区域はないということである。

区域区分が定められない場合、例えば、都市計画区域の中でも、小さな都市のように、区域区分を定める必要がないところもある。
このような都市計画区域を「区域区分が定められていない都市計画区域」という(「非線引き都市計画区域」と呼ばれることがある)

都市計画区域・準都市計画区域、区域区分の関係
① 市街化区域
イメージ:すでに街。これからも優先的・計画的に整える。
② 市街化調整区域
イメージ:市街地の周辺にある田畑などについて、街の広がりにブレーキをかける。
③ 区域区分を定めない都市計画区域
イメージ:「都市としての計画は立てる。ただ、市街化区域と市街化調整区域に分ける方法は採用しない。」
④ 準都市計画区域
イメージ:高速道路のインターチェンジ周辺。ここは都市計画区域の外。でも、好き勝手に開発されると困るから、土地の使い方にはルールをかけよう。
⑤ 都市計画区域および準都市計画区域外
イメージ:都市から離れた山間部や、開発の動きが小さい地域など。

宅建試験の都市計画法で重要な5つの区域を図解。市街化区域、市街化調整区域、区域区分を定めない都市計画区域、準都市計画区域、都市計画区域および準都市計画区域外の位置関係を整理。

都市計画の種類③ 都市再開発方針等

都市計画区域については、都市計画に、次の掲げる方針を定めることができる(7条の2第1項柱書)。

都市再開発方針等
① 都市再開発の方針
② 住宅市街地の開発整備の方針
③ 拠点業務市街地の開発整備の方針
④ 防災街区整備方針

都市計画区域について定められる都市計画は、都市再開発方針等に即したものでなければならない(7条の2第2項)。

都市計画の種類④ 地域地区(用途地域等)

地域地区
利用目的別のプランのこと
都市計画区域について定める地域地区

都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる(8条1項)。

【都市計画区域について定める地域、地区又は街区とは】
① 13種の用途地域(住居系、商業系、工業系)
② 特別用途地区(①の用途区域内)
③ 特定用途制限地域(①の用途区域外)
④ 特例容積率適用地区
⑤ 高層住居誘導地区
⑥ 高度地区(高さ)又は高度利用地区(容積率)
⑦ 特定街区
⑧ 都市再生特別地区、居住調整地域、居住環境向上用途誘導地区又は特定用途誘導地区
⑨ 防火地域又は準防火地域
⑩ 特定防災街区整備地区
⑪ 景観地区
⑫ 風致地区
⑬ 駐車場整備地区
⑭ 臨港地区
⑮ 歴史的風土特別保存地区
⑯ 第一種歴史的風土保存地区又は第二種歴史的風土保存地区
⑰ 緑地保全地域、特別緑地保全地区又は緑化地域
⑱ 流通業務地区
⑲ 生産緑地地区
⑳ 伝統的建造物群保存地区
㉑ 航空機騒音障害防止地区又は航空機騒音障害防止特別地区

地域地区については、都市計画に、地域地区の種類、及び区域、建築等の制限を定めるものとされるとともに、面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとされている(8条3項)。

都市計画区域について定める地域地区:13種の用途地域

用途地域が定められると、建築基準法の規定により、その地域ごとに建築物の用途が制限される。
また、都市計画に定められた容積率、建蔽率等によって、建築物の形態等が規制される。

都市計画区域の市街化区域:用途地域が、必ず定められる
都市計画区域の市街化調整区域:原則として、用途地域は定められない
非線引き区域、準都市計画区域:必要に応じて用途区域を定めることができる

13種の用途地域は、住居系、商業系、工業系に分けられる。

【住居系用途地域】
低層住居系専用地域等について:イメージは高級で閑静な住宅地
1.第一種低層住居専用地域:低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
2.第二種低層住居専用地域:主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
3.田園住居地域:農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

【用途地域に定められる事項】第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域
① 建築物の容積率
*容積率とは、敷地面積に対するすべての階の床面積を合わせた延べ床面積の割合のこと。立体的(すべての床の合計面積)
② 建築物の敷地面積の最低限度(必要な場合):200㎡を超えない範囲
③ 建築物の建蔽率
*建ぺい率とは、土地の広さ(敷地面積)に対する、建物をつかえる広さ(建築面積)の割合のこと。平面的(上からの面積)
④ 外壁の後退距離の限度(必要な場合):1.5m又は1m
⑤ 建築物の高さの限度:10m又は12m

中高層住居系専用地域について:イメージは中高層のマンションが建つような場所
4.第一種中高層住居専用地域:中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
5.第二種中高層住居専用地域:主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

住居系地域:イメージは低層と中高層のマンションが混在している場所
6.第一種住居地域:住居の環境を保護するため定める地域
7.第二種住居地域:主として住居の環境を保護するため定める地域
8.準住居地域:道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域

【商業系用途地域】
9.近隣商業地域:イメージは商店街
近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業等の業務の利便を増進するため定める地域
10.商業地域:イメージはデパートや繁華街
主として商業等の業務の利便を増進するため定める地域

【用途地域に定められる事項】
商業地域
① 建築物の容積率
② 建築物の敷地面積の最低限度(必要な場合):200㎡を超えない範囲

例えば、最低限度が150㎡なら、「この地域では、1区画最低150㎡は確保しよう」
150㎡以上の敷地にしなさいという規制なので、300㎡でも500㎡でも当然OK。

なぜ「最低限度」を決めるのか?
0㎡、50㎡、50㎡、50㎡……と細切れにして小さな住宅を密集させると、住環境が悪化しやすい。土地を細かく分割しすぎるのを防ぐため。

【工業系用途地域】
11.準工業地域:イメージは町工場
主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域
12.工業地域:イメージは中規模の工場
主として工業の利便を増進するため定める地域
13.工業専用地域:イメージはコンビナートや大工場
工業の利便を増進するため定める地域

【用途地域に定められる事項】
第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域・商業地域以外の9地域
商業地域
① 建築物の容積率
② 建築物の敷地面積の最低限度(必要な場合):200㎡を超えない範囲
③ 建築物の建蔽率
都市計画区域について定める地域地区:特別用途地区

特別用途地区は、地区の特性に応じたきめ細かな用途規制を行うため、用途地域内に定められる。

「特別用途地区」とは、用途地域内の一定の地区におけるその地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため、その用途地域の指定を補完して定める地区をいう(9条14項)。

都市計画区域について定める地域地区:特定用途制限地域

例えば、ピンポイントに、大規模な店舗や工場、ホテル、レジャー施設のような特定の用途の建築物等を規制するため、市街化調整区域を除いた用途地域が定められていない土地の区域に定められる。

「特定用途制限地域」とは、用途地域が定められていない土地(ただし、市街化調整区域を除く)の区域内において、その良好な環境の形成又は保持のためその地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域をいう(9条15項)。

都市計画区域について定める地域地区:特例容積率適用地区

「特例容積率適用地区」とは、一定の用途地域(第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域・工業専用地域を除いた用途地域)内の適正な配置および規模の公共施設を備えた土地の区域において、建築物の容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区をいう(9条16項)。

特例容積率適用地区に指定されると、他の敷地の未利用容積を移転して、建築物の共同化や老朽マンションの建替え等を円滑に進めることができるようになる。

都市計画区域について定める地域地区:高層住居誘導地区

「高層住居誘導地区」とは、土地の有効高度利用を通じ、利便性の高い高層住宅の建設を誘導し、職住近接の都市構造を実現するため、一定の用途地域に定められる地区をいう(9条17項)。

これは、都心にマンションを誘導して職住近接の都市構造を実現しようとするものである。

都市計画区域について定める地域地区:高度地区

「高度地区」とは、用途地域内において市街地の環境を維持し、または土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区をいう(9条18項)。

高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない(建築基準法58条)。

都市計画区域について定める地域地区:高度利用地区

「高度利用地区」とは、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、容積率の最高限度および最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度ならびに壁面の位置の制限を定める地区をいう(9条19項)。

容積率などは、建築物の大きさにかかわる数値である。
そのため、この地区を指定して、建築物の大きさをそろえ、土地の合理的な利用を図ろうというわけである。

都市計画区域について定める地域地区:特定街区

「特定街区」とは、市街地の整備改善を図るため街区の整備または造成が行われる地区について、その街区内における容積率ならびに建築物の高さの最高限度および壁面の位置の制限を定める街区をいう(9条20項)。

特定街区に指定されると、建物の高さ制限や容積率等の規制が周囲の一般の地区より緩和される。
その結果、超高層ビルの建築ができるようになる。

都市計画区域について定める地域地区:防火地域・準防火地域

「防火地域・準防火地域」とは、市街地における火災の危険を防除するため定める地域をいう(9条21項)。

防火地域・準防火地域は、市街地において建築物に火災が発生した場合に、それが他の建築物に及ばないようにするために定められる。

これらの地域内では、建築基準法の規定により、建築物の構造制限等が加えられることとなる。

都市計画区域について定める地域地区:風致地区

「風致地区」とは、都市の風致(自然美)を維持するため定める地区をいう(9条22項)。

風致地区は、美しい街並みを守っていこうという地区であるから、これに似つかわしくない建築物の建築を規制する必要がある。
そこで、必要な制限を地方公共団体の条例で定めることができる(58条1項)。

都市計画区域について定める地域地区:臨港地区

「臨港地区」とは、港湾を管理運営するため定める地区をいう(9条23項)。

都市計画区域について定める地域地区:景観地区

「景観地区」とは、市街地の良好な景観の形成を図るため、市町村が、都市計画区域または準都市計画区域に定める地区をいう(8条1項6号、4項、景観法61条1項)。

景観地区の具体的な内容は、都市計画法ではなく、景観法という法律に定められている。
景観地区に関する都市計画には、建築物の形態意匠(人工美)の制限等を定める。

準都市計画区域について定める地域地区

準都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域又は地区を定めることができる(8条2項)。

【準都市計画区域について定める地域地区】
① 用途地域
② 特別用途地区
③ 特定用途制限地域
④ 高度地区
⑤ 景観地区
⑥ 風致地区
⑦ 緑地保全地域
⑧ 伝統的建造物群保存地区

都市計画の種類⑤ 促進区域

「促進区域」とは、都市計画区域における都市計画法10条の2第1項各号に掲げる区域のことである。

「都市計画法10条の2第1項各号に掲げる区域」とは、次の①~④の区域のことである(4条4項、10条の2第1項各号)。
① 都市再開発法による「市街地再開発促進区域」
② 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法による「土地区画整理促進区域」
③ 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法による「住宅街区整備促進区域」
④ 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律による「拠点業務市街地整備土地区画整理促進区域」

促進区域は、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域内において、主として関係権利者による市街地の計画的な整備または開発を促進する必要があると認められる土地の区域について定められる(13条1項8号)。

都市計画の種類⑥ 遊休土地転換利用促進地区

「遊休土地転換利用促進地区」とは、市街化区域内にある、一定規模の区域の土地が、相当期間にわたり住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の用途に供されていない場合等において、そのことがその区域およびその周辺の地域における計画的な土地利用の増進を図る上で著しく支障となっており、その区域内の土地の有効かつ適切な利用を促進することが、その都市の機能の増進に寄与する土地の区域について定められる地区である(10条の3)。

遊休土地転換利用促進地区内の土地所有者等は、土地の有効利用に努めなければならない(58条の5第1項)。

都市計画の種類⑦ 被災市街地復興推進地域

「被災市街地復興推進地域」とは、大規模な火災、震災その他の災害により相当数の建築物が滅失した市街地の計画的な整備改善を推進して、その緊急かつ健全な復興を図る必要があると認められる土地の区域について定められる地域である(10条の4、13条1項10号)。

都市計画の種類⑧ 都市施設(道路、公園など公共施設)

「都市施設」とは、人が都市で生活していく上でなくてはならない共同の施設のことをいう。
例えば、道路、公園、上下水道、学校、病院などのことである。

都市施設は、原則として、都市計画区域内で定める(11条1項柱書)。
しかし、特に必要があるときは、都市計画区域外においても都市施設を定めることができる(11条1項)。
これは、都市に必要な施設であっても都市計画区域外につくらざるを得ない場合があるからである(例えば、上水道の水源地に供給施設を定める場合がある)。

道路、公園、下水道の整備は、街づくりの上で特に重要である。
そのため、この3つについては、市街化区域および区域区分が定められていない都市計画区域内には、必ず定めなければならないことになっている(13条1項11号)。

また、小・中学校などの義務教育施設は、子供の通学の便宜のため、住居系の用途地域内には必ず定めなくてはならない(同号)。

都市計画の種類⑨ 市街地開発事業(大規模な街づくり)

「市街地開発事業」とは、都市計画法12条に挙げられている土地区画整理事業や新住宅市街地開発事業等の総称で、一定の区域を、総合的な計画に基づいて新たに開発又は再開発する事業のことをいう(12条1項)。

市街地開発事業は、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域内において、一体的に開発し、または整備する必要がある土地の区域について定めることとされている(13条1項13号)。

都市計画の種類⑩ 市街地開発事業等予定区域

具体的な計画ができあがった後に用地を確保しようとしても、民間の開発に先を越されてしまい、間に合わなくなるおそれがある。
そこで、都市計画の最終的な決定を待たずして、用地の確保等に着手することができるよう用意されているのが、市街地開発事業等予定区域という都市計画である。

「市街地開発事業等予定区域」とは、都市計画法12条の2第1項各号に掲げる予定区域のことで、用地買収方式で事業が進められる市街地開発事業と大規模用地の確保が必要な都市施設について、その予定区域を定めることができるとする制度である(12条の2第1項)。

都市計画の種類⑪ 地区計画等(小規模な街づくり)

「地区計画等」とは、地区計画、防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画、沿道地区計画、集落地区計画の5つの計画の総称である(12条の4第1項)。
これらは、いずれも比較的狭い範囲の地区を単位としており、その地区の特性を活かした街並みを実現させるためのものである。

このうち「地区計画」とは、比較的狭い地区を単位として、それぞれの区域の特性にふさわしい街づくりを行う都市計画をいう。
地区計画は、当該区域の各街区における防災、安全、衛生等に関する機能が確保され、かつ、その良好な環境の形成または保持のため、その区域の特性に応じて合理的な土地利用が行われることを目途として、定められる。

地区計画は、次のいずれかに該当する土地の区域について定めるものとされている(12条の5第1項)。
① 用途地域が定められている土地の区域
② 用途地域が定められていない土地の区域のうち、次のいずれかに該当するもの
i 住宅市街地の開発その他建築物若しくはその敷地の整備に関する事業が行われる、又は行われた土地の区域
ii 建築物の建築又はその敷地の造成が無秩序に行われ、又は行われると見込まれる一定の土地の区域で、公共施設の整備の状況、土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがあるもの
iii 健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されている土地の区域

地区計画については、その地区計画の目標その他その区域の整備、開発および保全に関する方針を定め、そしてこの方針に沿って、具体的な建築規制等を盛り込んだ地区整備計画を定めることとされている(12条の5第2項)。

「地区整備計画」とは、地区施設(主として街区内の居住者などの利用に供される施設)および建築物などの整備ならびに土地利用に関する計画をいう。
地区整備計画には、次の事項を定めることができる(12条の5第7項)。
① 地区施設の配置および規模
② 建築物等の用途の制限
③ 建蔽率の最高限度・容積率の最高限度または最低限度・建築物等の高さの最高限度または最低限度・建築物の建築面積の最低限度等、建築物の形態の制限
④ 建築物の敷地面積の最低限度の制限等
ただし、市街化調整区域内の土地の区域について定められる地区計画の地区整備計画においては、容積率の最低限度、建築面積の最低限度および建築物等の高さの最低限度を定めることはできない。

再開発等促進区

一定の土地の区域における地区計画については、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の再開発または開発整備を実施すべき区域として、「再開発等促進区」を都市計画に定めることができる(12条の5第3項)。

開発整備促進区

開発整備促進区は、これらの地域の用途規制を緩和して、床面積10,000㎡を超える店舗、劇場等の大規模集客施設の立地を認めようとするものである。

一定の土地の区域における地区計画については、劇場、店舗、飲食店等の用途に供する大規模な建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域として、「開発整備促進区」を都市計画に定めることができる(12条の5第4項)。

開発整備促進区における「一定の土地の区域」とは、第二種住居地域、準住居地域、工業地域または用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)のことである。

地区計画の区域内における建築等の制限

地区計画の区域のうち、道路、公園等の施設の配置および規模が定められている再開発等促進区、開発整備促進区、または地区整備計画の定められている区域内においては、土地の区画形質の変更や建築物の建築、工作物の建設等の行為をする場合、一定の場合を除き、行為着手の30日前までに、必要事項を市町村長へ届け出なければならない(58条の2第1項)。
これは、具体的な計画実現を阻害しないようにするためである。
この届出が地区計画に適合しない場合、市町村長はその届出にかかる行為に関し、設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告(強い要望というような意味で強制力があるものではない)することができる(58条の2第3項)。

都市計画の決定

都市計画区域内の都市計画の決定

決定権者

都市計画は、一定の広域的見地から定めるべきものや根幹的な施設等は都道府県が、その他のものは市町村が定めることとされている(15条1項)。

ただし、2以上の都府県の区域にわたる都市計画区域では、都道府県に代わって国土交通大臣及び市町村が定めることとされている(22条1項)。

11種類の都市計画について、都道府県(又は国土交通大臣)が定めるものと、市町村が定めるものに分けて整理すると、次のようになる(15条1項)。

整備、開発および保全の方針:
都道府県〇:市町村✕

都市再開発方針等:
都道府県〇:市町村✕

区域区分(市街化区域、市街化調整区域):
都道府県〇:市町村✕

用途地域・特別用途地区・特例容積率適用地区・高度地区・高度利用地区・高層住居誘導地区・特定街区・防火・準防火地域・景観地区・特定用途制限地域:
都道府県✕:市町村〇

風致地区:
都道府県〇(面積が10ha以上で、二以上の市町村の区域にわたる場合):市町村〇

地区計画等:
都道府県✕:市町村〇

都市施設:
都道府県〇:市町村〇

市街地開発事業
都道府県〇:市町村〇

市街地開発事業等予定区域
都道府県〇:市町村✕

促進区域
都道府県✕:市町村〇

遊休土地転換利用促進地区
都道府県✕:市町村〇

被災市街地復興推進地域
都道府県✕:市町村〇

都道府県が定める都市計画と市町村が定める都市計画との調整

市町村が定める都市計画は、議会の議決を経て定められたその市町村の建設に関する基本構想に即し、かつ、都道府県が定めた都市計画に適合したものでなければならない(15条3項)。

また、市町村は、議会の議決を経て定められたその市町村の建設に関する基本構想だけでなく、都市計画区域の整備、開発および保全の方針に即し、都市計画に関する基本方針(マスタープラン)を定める必要がある(18条の2)。

市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りにおいて、都道府県が定めた都市計画が優先する(15条4項)。

準都市計画区域内の都市計画の決定

準都市計画区域内の都市計画は、都道府県または市町村が定めることとされている。

都市計画の決定手続きの流れ

Ⅰ原案の作成→Ⅱ原案を広告→Ⅲ審議会の議→Ⅳ決定(告示・縦覧)

Ⅰ原案の作成:
まず、決定しようとする都市計画の原案を作成する。この際、必要に応じて公聴会など住民の意見を反映させるための措置を講ずることができる(16条1項)。

Ⅱ原案を広告:公衆の縦覧(じゅうらん)と意見書の提出
次に、都市計画を決定する旨を公告し、原案を2週間公衆の縦覧(自由に見られること)に供する(17条1項)。この場合、決定しようとする都市計画の内容だけでなく、都市計画を決定しようとする理由も縦覧に供される。
この期間中、住民や利害関係人は意見書を提出することができる(17条2項)。

Ⅲ審議会の議など
他に、関係機関との調整を行う。これは、「都道府県が決定する場合」と「市町村が決定する場合」で手続きが異なる。

審議会の議(都道府県が決定する場合)
都道府県は、関係市町村の意見を聴き、さらに、都道府県都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定することになる(18条1項)。
また、都市計画が国の利害に重大な関係がある場合には、国土交通大臣に協議し、その同意を得る必要がある(18条3項)。

審議会の議(市町村が決定する場合)
市町村は、市町村都市計画審議会の議を経なければならない(19条1項)。
また、市町村は、都市計画区域または準都市計画区域について都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議しなければならない(19条3項)。

市町村都市計画審議会が置かれていない場合
市町村によっては、市町村都市計画審議会が置かれていない場合がある。その場合には、代わりに都道府県都市計画審議会の議を経る。

Ⅳ都市計画の決定:告示・縦覧
以上のようにして決定された都市計画は、告示・縦覧に供され、告示の日からその効力が生じる(20条3項)。
都市計画は、総括図、計画図および計画書によって表示され、土地に関し権利を有する者は、その都市計画が定められている土地の存する都道府県、または市町村の事務所においてこれらの図書、またはその写しを縦覧することができる(14条1項、20条2項)。

決定手続等におけるその他の規定

都市計画の提案制度(土地所有者等による提案)

都市計画の提案制度とは
都市計画区域または準都市計画区域のうち、一体として整備し、開発し、または保全すべき土地の区域としてふさわしい政令で定める規模以上の一団の土地の区域について、土地所有者等は、1人で、または数人共同して、都道府県または市町村に対し、都市計画の素案を添えたうえで、都市計画の決定または変更をすることを提案することができる(21条の2第1項)。

「土地所有者等」とは
その土地の所有権または借地権(建物の所有を目的とする対抗要件を備えた地上権もしくは賃借権)を有する者のことである。

都市施設等整備協定

都市施設等整備協定とは
都道府県や市町村は、都市施設等の整備に係る都市計画の案を作成しようとする場合において、その整備を行うと見込まれる者との間で、都市施設等整備協定を締結することができる(75条の2第1項)。
また、市町村長は、都市計画の決定に関する協力等の業務を適正・確実に行うことができる法人等を「都市計画協力団体」として指定することができる(75条の5第1項)。

都市計画協力団体は、都市計画の素案を添えたうえで、市町村に対して都市計画の決定等の提案をすることができる(75条の9)。

都市計画制限

開発行為の規制は、いわゆる乱開発の防止のためのチェックが目的である。
開発行為については、あらかじめ、都道府県知事の許可(開発許可)を得る必要があるとされている(29条)。

「開発行為」とは、
主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいう(4条12項)。

「建築物の建築」とは、
建築物の新築、増築、改築、移転をいう(4条10項、建築基準法2条1号、13号)。

「特定工作物」とは
特定工作物には、第一種特定工作物と第二種特定工作物の2つがある(4条11項)。

【特定工作物】

第一種特定工作物:周辺の地域の環境悪化をもたらすおそれのある工作物という特徴がある(4条11項、施行令1条)
コンクリートプラント
アスファルトプラント
クラッシャープラント
危険物の貯蔵又は処理に供する一定の工作物

第二種特定工作物:
ゴルフコース*面積を問わず該当
次に掲げるもので、その規模が1ヘクタール(ha)以上のもの
野球場
庭球場
陸上競技場
遊園地
動物園
その他の運動・レジャー施設である一定の工作物
墓園

「土地の区画形質の変更」とは、
土地の区画変更、形状変更、性質変更のことである。
敷地分割、造成(盛土や切土など)、地目変更(農地を宅地にすることなど)などがこれにあたる。

許可を要しない開発行為

開発行為にあたるとしても、乱開発のおそれがないとして、例外的に許可が不要なものがある。

開発行為について許可が不要になる場合には大きく分けて4種類がある。
そのなかの1つにでも該当すれば、許可が不要となる(29条1項ただし書、2項ただし書)。

【開発許可が不要になる開発行為の一覧】
① 公益上必要な建築物を建築するため行うもの
② 都市計画事業の施行として行うもの等
③ 規模の小さいもの
④ 農林漁業用建築物を建築するため行うもの

どこで行うのかに関わらず開発許可が不要となる開発行為

① 公益上必要な建築物を建築するため行うもの(29条1項3号、2項2号、施行令21条)。
例えば、駅舎、図書館、公民館、変電所などをつくる目的で行う開発行為
病院NG

② 都市計画事業の施行として行うもの等
都市計画事業や土地区画整理事業などの施行として行うものは、開発許可が不要(29条1項4号~8号)。
「事業の施行として」行う場合にのみ開発許可が不要となるのであって、「事業を施行している区域」や「以前施行された区域」というだけでは、開発許可は不要とならない。

この他に、非常災害のため必要な応急措置、通常の管理行為、仮設建築物や車庫などの付属建築物の建築のための軽易な行為などとして行う開発行為については、開発許可が不要である(29条1項10号、11号、施行令22条)。

区域によって開発許可の要否が分かれるもの

① 規模が小さいもの(29条1項、2項)。
具体的には、次のとおりである(施行令19条1項、22条の2)。

【規模が小さいため許可を要しない開発行為】
市街化区域 1,000㎡未満(例外:三大都市圏の一定区域では500㎡未満)
区域区分が定められていない都市計画区域 3,000㎡未満
準都市計画区域 3,000㎡未満
都市計画区域及び準都市計画区域外の区域 1ha(10,000㎡)未満

なお、市街化調整区域では、「規模が小さい」という理由で開発許可が不要となることはない。
これは、そもそも市街化調整区域が「当面の間、市街地になることを抑制すべき区域」だからである。
たとえどれだけ小さい開発行為であったとしても、開発許可が必要であるとした。

② 農林漁業用建築物(例えば、畜舎、温室、サイロなど)を建築するため行うもの
*農産物の加工に必要な建築物は、「農林漁業用建築物」にはあたらない。

市街化区域内
農林漁業用建築物を建築するために行う開発行為は、原則として、開発許可が必要である。

市街化区域以外(市街化調整区域、準都市計画区域、都市計画区域および準都市計画区域外の区域)
農林漁業用建築物や農林漁業を営む者の住居を建てるための開発行為には、開発許可が不要である(29条1項2号、2項1号)。

開発許可の特例

たとえ国または都道府県等が行う開発行為であったとしても、原則として、開発許可が必要である。
しかし、国または都道府県等が行う開発行為については、国の機関または都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもって、開発許可があったものとみなされる(34条の2第1項)。

開発許可の手続き

事前の手続き

開発許可を得るには、申請を行う必要がある(開発許可の申請)。
開発許可の申請をするには、あらかじめ開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない(32条1項)。

また、開発行為などにより設置される公共施設を管理することとなる者等との協議を経ることを要する(32条2項)。

さらに、土地等の権利者の相当数の同意を得ることが必要である(33条1項14号)。
これは、あらかじめ関係者との意見調整をすることによって、後にトラブルが起こるのを避けるためである。

開発許可の申請

開発許可の申請は、必ず書面で行うことが必要である(30条)。
申請書には、開発区域、予定建築物等(開発区域内において予定される建築物・特定工作物)の用途、設計、工事施行者等を記載する(30条1項)。

また申請書には、前記の公共施設の管理者等の同意書や協議の経過を示す書面を添付しなければならない(30条2項)。

なお、開発許可の申請は、自己が所有していない土地についても、することができる。

【申請書の記載事項と添付書類】
申請書の記載事項
① 開発区域の位置、区域および規模
② 予定建築物等の用途
③ 設計(面積が1ha以上の開発行為の場合、その資格を有する者が作成することが必要)
④ 工事施行者
⑤ その他(工事着手予定年月日、完了予定年月日、資金計画等)

申請書の添付書類
① 開発区域の位置図、区域図
② 公共施設の管理者の同意を得たことを証する書面等

許可・不許可の審査

開発許可基準とは
開発許可の申請がなされると、都道府県知事は、遅滞なく、許可か不許可かの処分をしなければならない(35条1項)。
都道府県知事は、開発許可の申請について、自由に許可・不許可を決められるわけではない。
都市計画法は、開発許可の基準を設けている(「開発許可基準」という)。

主な開発許可基準の内容
開発許可基準の代表的なものは、次の表のとおりである(33条)。
なお、この開発許可基準を満たすとき、都道府県知事は開発行為を許可しなければならない。

【開発許可の基準】
・予定建築物等の用途が用途地域等に適合していること(33条1項1号)
・排水施設が、開発区域内の下水を有効に排出するとともに、その排出によって開発区域およびその周辺の地域に溢水等による被害が生じないような構造および能力で適当に配置されるように設計が定められていること(33条1項3号)
・一定の規模以上の開発行為:開発区域における植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること(33条1項9号)
・主として自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為
>道路、公園などの公共空地が、環境の保全上などの支障がないような規模および構造で適当に配置され、かつ、開発区域内の主要な道路が、開発区域外の相当規模の道路に接続するように設計が定められていること(33条1項2号)
>給水施設が、開発区域について想定される需要に支障を来さないような構造および能力で適当に配置されるように設計が定められていること(33条1項4号)
>開発区域内に災害危険区域などの開発行為を行うに適当でない区域内の土地を含まないこと(33条1項8号)
>申請者にその開発行為を行うために必要な資力および信用があること(33条1項12号)

※主として自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為についてはこれらの許可基準は考慮されない。
なお、開発許可基準として、「開発区域内の土地の全部または一部が宅地造成等規制法の宅地造成工事規制区域内の土地であるときは、その土地における開発行為に関する工事の計画が、宅地造成等規制法9条に定める基準に適合していること」がある。

市街化調整区域内の開発行為に関する開発許可基準
市街化調整区域内の開発行為については、主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除き、先ほどの開発許可基準に加え、都市計画法34条に挙げられている基準のいずれかに該当する場合でなければ、開発許可をすることができない(34条)。

「都市計画法34条に挙げられている基準」のうち、主なものは次のとおりである。

【都市計画法34条に挙げられている基準】
① 主として開発区域の周辺の地域において居住している者の利用に供する一定の公益上必要な建築物またはこれらの者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場その他これらに類する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為であること(34条1号)

② 市街化調整区域内に存する鉱物資源、観光資源その他の資源の有効な利用上必要な建築物または第一種特定工作物の建築または建設の用に供する目的で行う開発行為であること(34条2号)

③ 市街化調整区域内において生産される農産物等の加工等に必要な建築物等の用に供する目的で行う開発行為であること(34条4号)

④ 都道府県知事が開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難または著しく不適当と認められる開発行為であること(34条14号)

市街化調整区域内の一定の開発行為に関して、33条の基準だけでなく、34条の基準のいずれかにも該当しなければならないとしたのは、市街化を抑制すべき区域としての市街化調整区域において無秩序な開発を防止するという観点から許容することが可能な開発行為を限定しようという狙いがある。

開発許可の申請後の流れ

文書による通知

都道府県知事は、申請された開発行為について審査して、遅滞なく許可するかどうかが決定すると、その許可または不許可の処分を、文書をもって申請者に通知して行う(35条)。

開発登録簿への登録

また、都道府県知事は、開発行為を許可した土地について一定の事項を開発登録簿に登録しなければならない(47条1項)。
これは、これからどんな開発行為が始まるのか一般の人が知ることができるようにするためである。

【開発登録簿に登録すべき事項(47条1項)】
① 開発許可の年月日
② 予定建築物等の用途
③ 公共施設の種類、位置および区域
④ ①から③以外の開発許可の内容
⑤ 用途地域の定められていない土地の区域における開発行為について開発許可をする場合に定める建築物の敷地、構造、設備に関する制限の内容

開発登録簿は都道府県知事が保管し、誰でもこれを閲覧することができ、その写しの交付を請求することもできる(47条5項)。

制限の設定

用途地域が定められていない区域の開発行為について開発許可をする場合、都道府県知事は、必要があると認めるときは、その開発区域内の土地について、建築物の建蔽率、建築物の高さ、壁面の位置、その他建築物の敷地、構造、設備に関する制限を定めることができる(41条1項)。

このようにして建築物の敷地、構造、設備に関する制限を定められた土地の区域内においては、建築物は、これらの制限に違反して建築してはならない(41条2項本文)。ただし、都道府県知事の許可があれば、その制限に反する建築物を建築することができる(同項ただし書)。

都市計画事業

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