【司法書士試験】民法(総則)

《法律の単元解説、その単元の過去問演習》を繰り返していきます。
・解説が5分くらいで終わる程度
・生徒の演習中心
20年以上、教育業界にいますが、これが最強の学習方法です。

権利能力(外国人)

単元のセンターピン(本質)
「原則として、外国人も日本人と全く同じ!
ただし例外として、『ルール(法令・条約)』でダメと言われたら諦めろ。」

外国人の権利能力の原則
◦ 定義:外国人は、法令または条約に禁止されている場合を除き、私権(個人的な権利)を享有する。
◦ 条文:民法3条2項
◦ ポイント:原則は「ある」。例外は「法令・条約」のみ。

信託法による例外(脱法行為の防止)
◦ 定義:法令によりある財産権を享有できない者は、信託法の受益者(実質的な持ち主)として、その権利を有すると同一の利益を享受することができない。
◦ 根拠:信託法9条
◦ 趣旨:脱法行為(法律の禁止を潜脱すること)を防ぐため。

「脱法行為」とは?
法律で「外国人はこの権利を持てない(例:国の重要な土地など)」と禁止されているのに、信託を使って「名義上の持ち主は日本人(受託者)、でも実質的な利益は全部外国人(受益者)」という形を作ると、法律の禁止が無意味になってしまいます。これを「脱法行為」と言います。

問 外国人は、法令又は条約に禁止又は制限が規定されている場合を除き、我が国においても権利能力を有する。
正解(◯)
外国人も日本人と同じ「人」として扱われます。
問 外国人の権利能力が制限される場合には、外国人は、信託法の受益者として、その権利を有すると同一の利益を享受することができない。
正解(◯)
もし法律で「この権利は持てない」とされているのに、信託を使って「実質的に同じ利益」を得ることを許してしまえば、禁止している意味がなくなってしまいます(信託法9条)

制限行為能力

未成年者(原則と例外)
成年被後見人(精神上の障害が重い方)
被保佐人(著しく不十分な方)
被補助人(不十分な方)
相手方の保護(催告権など)

未成年者(原則と例外)

単元のセンターピン(本質)
未成年者は『最強のキャンセル権(取消権)』を持つ無敵の存在。5条1項、2項
ただし、3つの例外。
1,もらうだけ(単なる利益)5条1項ただし書
2,お小遣い 5条3項
3,許可された商売 6条1項
の時は、大人扱いされる(キャンセル不可:「同意不要(単独でできる)=取り消せない」)

★取消しの効果と現存利益
◦ ルール:取り消された行為は「初めから無効」となる。
◦ 返還義務:制限行為能力者(未成年者)は、その行為によって**「現に利益を受けている限度(現存利益)」**において返還すれば足りる。全部返さなくてよい(使い込んでいても、生活費なら「現存」扱い、ギャンブル等は「なし」扱い)。
◦ 条文:121条、121条の2第3項
*「負担付贈与ではない(タダでもらう)」「債務の免除を受ける」**とあったら、それは「一方的に得する」ケース
⇒得するだけなら保護不要 → 「同意不要(単独でできる)=取り消せない」

★法定代理人(養子の特例)
◦ ルール:未成年者に親権を行う者があるときは、その者が法定代理人。養子の場合は、養親が親権を行う。実親ではない。
◦ 条文:818条
*ひっかけパターン:実親の同意があっても、法定代理人の同意はない状態なので、取り消せます。