単元ごとに解説し、すぐに過去問演習ができるようにしてあります。
*随時更新します
訴訟関係者
裁判所
当事者
第一審手続
訴えの提起
訴訟の審理と進行
訴訟の終了
請求・当事者の複数
独立当事者参加
原則論: 裁判は、原告と被告の2者で争うものです(当事者対立構造)。
しかし、真実は2者の中にはなく、第三差の中にある場合もあります。
そこで、例外:第三者が「お前ら二人とも間違ってる!俺が正しい!」と、既存の裁判に割り込んで、三つ巴(バトルロワイアル)の戦いに持ち込めるようにした。
手続き
●参加の申出は書面で行い、その書面は「両方の当事者」に送達しなければなりません(民訴法47条3項で準用する43条2項)。
*両方にケンカを売るので、一方のみでは不可。
●参加の書面には、「参加の趣旨(どうしたいか)」だけでなく「参加の理由(なぜ俺のものなのか)」を明確にしなければなりません(民訴法47条3項で準用する43条1項)。
*理由も書かせることで、関係ない人が面白半分で参加できないようにしている。
●参加人が入ってきたことで、元の原告や被告が負けそうになり、「もう自分は関係ない」となった場合、相手方の承諾を得て、その裁判から抜ける(脱退する)ことができます(民訴法48条)。
★民事訴訟法:重要条文チェック
(独立当事者参加)
第四十七条 訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。
2 前項の規定による参加の申出は、書面でしなければならない。
3 前項の書面は、当事者双方に送達しなければならない。
4 第四十条第一項から第三項までの規定は第一項の訴訟の当事者及び同項の規定によりその訴訟に参加した者について、第四十三条の規定は同項の規定による参加の申出について準用する。
(訴訟脱退)
第四十八条 前条第一項の規定により自己の権利を主張するため訴訟に参加した者がある場合には、参加前の原告又は被告は、相手方の承諾を得て訴訟から脱退することができる。この場合において、判決は、脱退した当事者に対してもその効力を有する。
★民事訴訟法:過去問チェック
【問題】訴訟の当事者の一方を相手方とする独立当事者参加の申出があったときは、参加の申出の書面は、当該当事者の一方に送達すれば足りる。
【問題】 独立当事者参加の申出においては、参加の趣旨だけでなく、その理由も、明らかにしなければならない。
【問題】 独立当事者参加をした者がある場合において、参加前の原告又は被告が口頭弁論をしたときは、その原告又は被告は、当該訴訟から脱退することができない。
簡易な訴訟手続
「安い・早い・簡単」を実現するため、簡易裁判所では地方裁判所の「ガチガチなルール(書面主義・厳格な証明)」を徹底的に緩和している。
原則(地方裁判所):
裁判は慎重に行うべきです。間違いがあってはいけません。
だから、「訴えは必ず書面で(134条)」「証人は法廷に呼んで目の前で話を聞く(直接主義)」のが原則です。
問題点(コストと時間):
しかし、わずかな金額の争い(140万円以下)で、弁護士を雇って何十枚も書類を書くのはコスパが悪すぎます。
市民が利用しにくくなります。
例外(簡易裁判所):
そこで、身近なトラブル(軽微な事件)を扱う簡易裁判所では、**「口頭でOK」「書類はテキトーでOK」「近所のおじさん(司法委員)に手伝ってもらう」**という、極めてフランクな手続きを認めました。
【国民的アニメで例える『サザエさん』】
状況:**カツオ(原告)**が、**中島くん(被告)**に対し、「貸したマンガ本(300円)を返せ」と訴えました。
地方裁判所の場合:
カツオは弁護士を雇い、分厚い「訴状」を提出し、法廷で厳格な証人尋問を行います。→ 大げさすぎます。
簡易裁判所の場合:
A. 訴え提起の簡略化(口で言えばいい)
• カツオは裁判所にふらっと行き、受付で「中島が本を返さないんだ!」と口頭で喋ります(口頭起訴)(民訴法271条)
※訴えの変更や反訴の提起も、口頭で可能
• 裁判官は「じゃあ、中島くんから手紙(書面)で事情を聞いとくね」と、呼び出しすらしません(書面尋問)
• 準備書面の省略:事前の準備書面(反論などを書いた書面)は、どうしても必要な場合以外は提出しなくてOKです(276条)
B. 審理・証拠調べの簡略化(来なくてもいい)
• 陳述擬制の拡大:当事者が欠席しても、書面を出していれば読んだことにしてくれます(続行期日でもOK)。
• 書面による尋問:証人や当事者本人を呼び出さず、**「書面の提出」**だけで尋問に代えることができます(278条)。
※地裁ではビデオリンクなどはあっても、「書面だけ」は原則ダメです。
• 証拠調べの制限なし:「すぐに調べられる証拠に限る」という制限はありません(それは少額訴訟のルールです)。
C. サポートと判決(おじさんと要旨)
• 司法委員:裁判官が「必要だ」と思えば、職権で、良識ある一般市民(司法委員)に、和解の説得を手伝わせることができます(279条)。
※注意:当事者の申立ては不要です。裁判所の職権で選任できます。
• 判決書の簡略化:判決書には「事実と理由」を詳しく書く必要はなく、**「要旨(ポイント)」**だけでOKです(280条)。
D. 大規模訴訟
• 受命裁判官による尋問:当事者に異議がなければ、裁判官全員ではなく、一人の裁判官(受命裁判官)に証人尋問を行わせることができます(268条)。