【大学入試】化学基礎③《物質量と化学反応式》重要語句と典型問題まとめ・総チェック

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原子量(元素の相対質量のこと)

原子量(原子と元素の違い)

原子量(原子と元素の違い)

原子の重さは、「質量数」で表現してきたが、これは正確ではない。
その理由は、陽子と中性子の重さが正確に1:1ではなく、電子の重さも無視しているため。

そこで、原子の重さは、「質量数12の炭素原子1個の質量を12」と決めて、これを基準にして他の原子の重さも表現するようにした。
これを相対質量という。

では、炭素が12に対して水素の相対質量は?

水素原子にはいつくか種類があって、一概に炭素と比較できない。
1H(軽水素:中性子が1つ) 2H(重水素:中性子が2つ) 3H(三重水素水素:中性子が3つ)…などの同位体が存在する。

いくつかある同位体の相対質量の平均値の重さを求めて、その平均値=水素元素をひとまとまりにした重さ(原子量)と考える。

【平均の出し方の確認】
10人クラスで、クラスの80%が同じ体重50㎏、クラスの20%が同じ体重60㎏だったとする。
このクラスの平均の体重は何㎏か。

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小学校の算数の問題だが、求め方を確認してほしい。

割合×体重+割合×体重=平均

0.8×50+0.2×60
=40+12
=52
*「10人」というヒントは使わずに求められるのが重要。

別解
8人が50㎏、2人が60㎏なので、
8×50+2×60=520
520÷10=52

原子量を求める問題

★原子量の求め方は、平均値の計算。
原子量 = (同位体①の相対質量 × 同位体①の存在比) + (同位体②の相対質量 × 同位体②の存在比)… 同位体の数だけ計算
原子量を求める問題(基本)

原子量を求める問題(基本)

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7.0
原子量を求める問題

原子量を求める問題

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7.1%

分子量と式量

★分子量と式量は、原子量の足し算で求める。

★どちらを使うか?
分子量を使うもの…酸素やアンモニアなど分子を単位とする物質。

式量を使うもの…塩化ナトリウムや酸化銀などのイオンから成る化合物、金属、共有結合結晶などの組成式で表す物質。

【化学基礎】分子量と式量についての問題

【化学基礎】分子量と式量についての問題

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【化学基礎】分子量と式量についての解説

【化学基礎】分子量と式量についての解説

式量か分子量か
式量ではなく、分子量を使うのが適当なものを次から選べ。
① 銅
② 酸化銅
③ ダイヤモンド
④ アンモニア

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④アンモニア が正解。アンモニアはNH3分子からなる。

解説
① 銅:金属なので、組成式Cuで表されるので、式量を使う。
② 酸化銅:CuとO2-のイオンからなるため式量を使う。
③ ダイヤモンド:共有結合の結晶で、組成式Cで表され、式量を使う。

物質量

物質量とは、単位㏖を使う物質の量をさす。
原子や分子のカタマリの数は、多いので単位を定めたのである。

★アボガドロ定数
原子量(分子量・式量)が 1㏖ 集まると g をつけられる数を設定した。
それが、12C= 12 g中に含まれる炭素原子の数であり、6.02 × 1023個の集まりを 1 mol とした。

つまり、原子量 × 1㏖ = 原子量g(モル質量) と表されるようになった。

暗記
1㏖ = 6.02 × 1023個 = 22.4L(標準状態)

モル質量=1㏖あたりの質量のこと。
原子量 × 1㏖ = 原子量g

モル体積:1㏖あたりの体積のこと。
22.4L × 1㏖ = 22.4L

*10の23乗を、日本の単位で読むと「1000垓(がい)」となる。

日本の数字の単位(桁数の読み方)

日本の数字の単位(桁数の読み方)

【相対質量(原子量)の暗記】
原子量は、問題文に書いてあることが多い。
しかし、暗記するとスピードアップにつながる。積極的に暗記しよう。

単位変換と物質量計算

【モル計算:molからgへ変換】
二酸化炭素CO2の1モル分は、何gか。
なお、炭素Cの原子量は12、酸素の原子量は16とする。

1モル分なので、原子量(分子量・式量)にgをつけるだけ。

二酸化炭素CO2の分子量は、12+16+16=44

よって、44グラム

【モルの計算問題:molからgへ変換】
アンモニアが、3molのとき、この質量は何gになるか。
なお、原子量はH:1 N:14 とする。
51g
式 原子量×モル=質量 に当てはめればよい。

アンモニアの分子量
NH31 = 14+1+1+1=17

3㏖分なので、×3をすると、
17×3=51

51g

【モルの計算問題:molから個数へ変換】

炭素24gに含まれる炭素原子は、何個か。
なお、炭素Cの原子量は12とする。

2モル分なので、2×6.0 × 1023

よって、1.2 × 1024

【モルの計算問題:molから個数へ変換】
原子量は、N=14、H=2とする。
質量数14の窒素原子と質量数 2 の水素原子のみからなるアンモニア40.0 gに含まれる中性子は何個か。

なお、アボガドロ定数を6.0 × 1023とする。

*原子の個数を聞いているわけではなく、中性子の数を聞いているので、最後ケアレスミスに注意

アンモニア(NH3)の相対質量(分子量)は、14+2+2+2=20

式に当てはめて、

式 相対質量(分子量)×モル=質量 
20×xモル=40g
xモル=2

2㏖分のアンモニア分子の数は、
6.0 × 1023×2= 1.2 × 1024

アンモニア分子1個につき、何個の中性子があるかを考えると、
Nの原子番号は7なので、質量数14-陽子数7=中性子数7
Hの原子番号は1なので、質量数2-陽子数1=中性子数1
よって、アンモニア分子1個につき、7+1+1+1=10個の中性子がある。

つまり、アンモニア分子の数 ×10をすれば、アンモニア分子に含まれる中性子の数が求まる。

よって、1.2 × 1025

【モルの計算問題:molからℓへ変換】
二酸化炭素CO2の1モル分の標準状態の気体の体積は、何ℓになるか。
なお、炭素Cの原子量は12、酸素の原子量は16とする。
1モル分の標準状態の気体の体積:22.4ℓ
*原子量のヒントは使わない。

解説
固体だと結びつき度合いによるため一定ではないが、気体だと結びつきがないため、1モル分と決めるとどんな分子(二酸化炭素、窒素、塩素など)でも体積が一定(22.4ℓ)となる。

濃度

濃度の表し方(2種類:グラムで表すか、モルで表すか)

濃度の表し方(2種類:溶質をグラムで表すか、モルで表すか)

濃度計算の流れ(基本:溶質のgを求め、gが分かればモルもわかるので、モルの方程式を立てる)
溶液の密度g/cm3 → 溶液の密度×体積=溶液のgがわかる。
溶液のg → 溶液のg×質量%濃度=溶質のg

★水の場合のみ、体積と質量が一致する。
例:水100mlであれば、100gとなる。

★体積の単位は、ml=cm3をよく使う。
食塩水100mlは、100gとはならず、体積と質量は異なる。

例題【濃度の計算問題】
食塩水の密度が1.1g/cm3、質量パーセント濃度が5%のとき、この食塩水100ml中に含まれる食塩は、何gになるか。

解答表示
密度が体積と質量の関係を表している。
食塩水の体積が100mlだと、食塩水の質量は、110gとなる。←密度のヒントより
食塩水の質量110gのうち、食塩の質量は5%なので、5.5gとなる(答え)。
【濃度の計算問題:濃度をうすめる希釈パターン】
濃アンモニア水を水で希釈して、6.0 mol/Lのアンモニア水50 mLをつくりたい。
必要な濃アンモニア水は何mLか。
ただし、濃アンモニア水は質量パーセント濃度が28%、密度が0.90 g/cm3である。
原子量はH:1,N:14 とする。
中学までは、溶質の質量gで方程式を作っていたが、
質量に、(÷原子量)をするだけでモルが出てくるので、モルで方程式をつくる

希釈

化学反応式

★反応物+反応物→生成物

★反応式の係数が粒の数を示し、左右で粒の数が異なる(モルが異なる)点に注意
2H2 + O2 → 2H2
2粒 + 1粒 → 2粒
2モル + 1モル → 2モル

【化学反応式の計算問題1】
ある質量の黒鉛C に、標準状態で3.36Lを占める酸素O2を加えて燃焼させた。
黒鉛と酸素はともにすべて反応して、完全燃焼した二酸化炭素CO2と、不完全燃焼による一酸化炭素CO、のみからなる混合気体が標準状態で5.60L生成した。
生じた混合気体中の二酸化炭素と一酸化炭素の物質量の比(CO:CO2)を計算しなさい。
求めたい二酸化炭素と一酸化炭素をxモル、yモルと置く。
化学反応式の係数と、わかっている体積(3.36L、5.60L)で方程式をつくる。
化学反応式の計算問題
【化学反応式の計算問題2】
エタンC2H6 10.0gを40.0gの酸素とともに,密閉した容器で完全燃焼させた。反応が完全に終了した時の、容器内のすべての物質の重量を合計すると,何gになるか。
まず、化学反応式をつくる。分数でつくって、整数にするとよい。
化学反応式の作り方

次に、化学反応式の係数を基準に、余るものと完全になくなるものを調べる。
完全になくなるものをベースにして、使われるモルを書く。
(完全燃焼の問題は、だいたい酸素が多く余る。)

化学反応式の計算問題

練習プリント

【化学基礎】化学反応式とイオン反応式(練習プリント)

【化学基礎】化学反応式とイオン反応式(練習プリント)

【化学基礎】化学反応式とイオン反応式(練習プリント)解答

【化学基礎】化学反応式とイオン反応式(練習プリント)解答

テストで90点以上が取れるコツ

テストで90点以上が取れる学習手順まとめ
1、学校のワーク(問題集)をテスト1週間前までに解き終わり基本を身につける。
2、定期テスト過去問を解く。
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