【大学入試】生物《生物の進化》重要語句と典型問題まとめ・総チェック

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【大学入試】生物~目次~

生物基礎
1.生物の特徴
2.遺伝子とその働き
3.ヒトのからだの調節
4.植生と遷移
5.生態系とその保全

生物
6.生物の進化 ⇒現在はここのページ
7.生物の系統と進化
8.細胞と分子
9.代謝
10.遺伝情報とその発現
11.遺伝子の発現調節と発生
12.遺伝子を扱う技術とその応用
13.動物の反応と行動
14.植物の成長と環境応答
15.生態系のしくみ

生物《生物の進化》重要語句と典型問題まとめ・総チェック

生物の起源と生物界の変遷

生物の共通性と多様性

生物には共通の祖先がいたことから、生物には共通する性質が存在する。

★生物の共通性とは
・すべての生物は細胞でできている
・ATPを介してエネルギーのやり取りが行われる(代謝)
・遺伝子としてDNAを利用
・自己複製能力(自分と同じ仲間を増やす能力)をもっている。
・内部の安定が保たれている(恒常性)

生物の出現(化学進化)

★化学進化とは
地球上で生命が出現するまでの物質の進化(無機物から有機物が合成された過程)をさす。

原始地球(生物がおらず無機物だけだった時代)から考えると、どうやって生物(有機物)が誕生したのか?

無機物(メタン、硫化水素、アンモニア)からスタート
海底の熱水噴出孔などで,雷や紫外線,熱などのエネルギーによって、無機物から有機物が生まれる。
⇒単純な有機物(アミノ酸、単糖類)
⇒複雑な有機物(ペプチド、核酸(DNA, RNA)、多糖類、脂質)
⇒始原生物の誕生

★始原生物といえる条件とは
・《自己複製が可能な有機物》が膜で隔離されている。
・内部で化学反応(代謝)が起こっている。
・自己複製(自分と同じ仲間を増やす)を行うことができる。

最初に出現した生物のタイプ

【生物】最初に出現した生物のタイプ

【生物】最初に出現した生物のタイプ

初期の生物として、説が分かれるが、以下3つのタイプからスタートしたと考えられている。

①化学進化で蓄積した有機物を取り込んで利用する従属栄養生物タイプ
例 嫌気性細菌
*「嫌気性」とは、酸素を必要としない、という意味。

②化学エネルギーを利用して有機物を合成する独立栄養生物タイプ
例 化学合成細菌

③光エネルギーを利用して有機物を合成する独立栄養生物タイプ
例 光合成細菌(非酸素発生型の光合成)

これらの生物の出現から数億年で、3つのタイプがすべて出現したと考えられる。

シアノバクテリアの出現(光合成の進化)

初期の生物の光合成は、非酸素発生型の光合成だった。
もし、酸素発生型の光合成が誕生すると、今後の生物の進化に大きな影響を与えることになる。

まずは、初期の生物である、光合成細菌の光合成について
無機物である硫化水素(H2S)と二酸化炭素から、有機物と硫黄が発生(酸素は発生しない)
例 緑色硫黄細菌
6CO2 + 12H2 S → C6 H12 O6 + 6H2 O + 12S

次に、約 27億年前に出現したシアノバクテリアによる光合成
*シアノバクテリアの死骸などが固まったものを、ストロマトライト(英: stromatolite)とよぶ。
二酸化炭素と水という無機物から、有機物と酸素が発生
この酸素発生によって、地球の酸素濃度が上昇し,その後の生物の進化に大きな影響を与えた。
6CO2 + 12H2 O → C6 H12 O6 + 6H2 O + 6O2

酸素が発生すると地球はどうなったか?
海水中の鉄イオンが、酸化鉄として沈殿・析出し、酸化鉄の層(縞状鉄鉱層)が形成
嫌気性細菌(酸素を必要としない細菌)ではなく、好気性細菌が出現する

真核生物の出現

★真核生物の出現の流れは?
無機物しか存在しない地球
⇒化学進化により、有機物が発生
⇒有機物が膜で覆われ、原始生物の誕生
⇒シアノバクテリアによって酸素が発生
⇒酸素を使う好気性細菌が誕生
⇒真核生物の誕生(およそ20億年前)

★真核生物とは
細胞に核を持つ生物をさす。
真核生物は、4種類(植物、動物、菌、原生生物)に分かれる。
*菌の例 キノコ、カビ、粘菌、酵母菌
*原生生物の例 藻類、ゾウリムシ、アメーバ

★原核生物とは
細胞に核を持たない生物をさす。
例 大腸菌、乳酸菌、細菌{シアノバクテリア(ネンジュモ、ユレモ、アナバナ)}、好熱菌、メタン生成菌

原核生物の細胞には、細胞膜、細胞質基質、細胞壁が見られるが、細胞小器官(核、ミトコンドリア、葉緑体、液胞など)は見られない。

★真核細胞にだけ見られる細胞小器官について

細胞小器官とは
ミトコンドリア、葉緑体など、細胞の内部で特に分化した形態や機能を持つ構造の総称のこと。

特に二重膜構造を持つ細胞小器官3つについて
核:染色体(DNAとタンパク質ができている)が含まれている。
ミトコンドリア:呼吸を行う場。独自のDNAを持つ。
葉緑体:光合成の場。クロロフィルという緑色の色素。独自のDNAを持つ。

ミトコンドリアと、葉緑体について
マーグリスによる細胞内共生説
ミトコンドリアと葉緑体は、内外異質の2重膜であること、独自のDNAを持つことから、宿主となる細胞とは、もともと違う生物だった。

原核細胞+シアノバクテリア⇒葉緑体
原核細胞+好気性細菌⇒ミトコンドリア

葉緑体は植物だけしか見られず、ミトコンドリアは植物にも動物にも見られることから、共通の祖先は、最初にミトコンドリアを獲得して、さらに葉緑体を獲得したものが植物、葉緑体を獲得せずに進化したものが動物と考えられる。

多細胞生物の出現(エディアカラ生物群)

およそ10億年前に,多細胞生物が出現したと考えられる。
初期の多細胞生物の化石として,オーストラリアで発見されたエディアカラ生物群が知られている。

エディアカラ生物群は軟体生物で、化石も残りにくい。
地球の誕生からここまで(5.4億年まで)の時代は先カンブリア時代と呼ぶ。

この後、外骨格を持った多細胞生物が出現し,多くの化石が残るようになる古生代という時代に入る。

古生代(5億4000万年前~2億5000万年前)

【生物】植物・動物の出現と繁栄まとめ

【生物】植物・動物の出現と繁栄まとめ

古生代に多細胞生物が多様化していった様子を、カンブリア紀の大爆発と呼ぶ。

代表的な化石群
バージェス動物群(カナダ)
チェンジャン動物群(中国)
*三葉虫などの示準化石が発見される

古生代の初期に、オゾン層が形成
⇒DNAを破壊する紫外線から守られるようになり、生物の陸上進出が可能になった。
植物:シダ植物の出現 → 裸子植物の出現  
動物:魚類の出現と繁栄 → 両生類の出現と繁栄 → 爬虫類の出現

*時代の切り替えは、大量の絶滅がある。

中生代(2億5000万年前~6600万年前)

示準化石:アンモナイト
植物:裸子植物の繁栄 → 被子植物の出現
動物:爬虫類の繁栄 → 鳥類や哺乳類の出現

*時代の切り替えは、大量の絶滅がある。
隕石の衝突によって恐竜類のほとんどが絶滅した。

新生代(6600万年前~現在2024年も進行中)

示準化石:大型哺乳類
植物:被子植物の繁栄
動物:鳥類や哺乳類の繁栄

新生代
古第三紀:哺乳類が多様化、霊長類(サルなど)が出現
新第三紀:化石人類(猿人、原人など)
第四紀:現生人類(新人)

遺伝子の変化と遺伝子の組み合わせの変化

塩基レベルでの突然変異

【高校生物基礎】遺伝子の発現(セントラルドグマ、転写から翻訳の流れ)

【高校生物基礎】遺伝子の発現(セントラルドグマ、転写から翻訳の流れ)

★突然変異とは
DNA の塩基配列が何らかの要因(放射線(X 線),紫外線など)によって、形質が変化することをさす。

★セントラルドグマの最初であるDNA の塩基配列が変化すると、結果的に形質も変化する。

DNA の塩基配列の変化(置換、挿入・欠失)によって※
→mRNA の塩基配列の変化し
→アミノ酸配列も変化し
→タンパク質のはたらきが変化して
→生物の形質の変化する

※挿入・欠失による塩基配列の変化を、フレームシフトと呼ぶ。

★一塩基多型(SNP)とは
同種の個体間でみられる,一塩基単位の違い。
例 ヒト
塩基配列の 99.9%が共通であるが,0.1%は異なる。塩基1000個に1個の違いである。

染色体レベルでの突然変異

ヒトゲノム

ヒトゲノム

★染色体レベルの突然変異とは
染色体が、構造による変化数による変化によって、発現する形質が変わってしまうことをさす。

★染色体の構造の変化
欠失:染色体の一部が失われる。
重複:染色体の一部が繰り返される。
転座:染色体の一部が別の染色体の一部につながる。
逆位:染色体の一部の領域の順番が入れ替わる。

【生物】染色体レベルの突然変異

【生物】染色体レベルの突然変異

★染色体の数の変化
例 ダウン症
ヒトは23×2セット=46本の染色体を持つが、21番目の染色体だけ3セットになることで(計47本の染色体)ダウン症と呼ばれる形質が発現する。

減数分裂

【高校生物】減数分裂(母細胞の連続した2回の分裂により、1つの母細胞から4つの生殖細胞ができる)

【高校生物】減数分裂(母細胞の連続した2回の分裂により、1つの母細胞から4つの生殖細胞ができる)

★減数分裂とは
母細胞の連続した2回の分裂により、1つの母細胞から4つの生殖細胞ができる分裂をさす。

★減数分裂第一分裂の前期
相同染色体が対合して,二価染色体が形成される。
このとき,染色体の一部が交換される乗換えが起こることがある。
乗換えによって染色体が交さしている部位は、キアズマとよばれる。

★DNA量の半減と、染色体の半減の違い
染色体の半減は、減数分裂第一分裂が終わった時点。
DNA量の半減は、減数分裂第二分裂が終わった時点。

★減数分裂と遺伝的多様性
ヒトの場合、染色体の本数は、父由来と母由来合わせて2n=46本なので、
n=23本が、父由来なのかor母由来なのかの2択をすることになり、
$ 2^{23} $ 通りの染色体の組み合わせが考えられる。

進化のしくみ

編集中