【宅建対策】宅建業法(その他業務上の規制)《最短合格法|単元別インプットと過去問演習》

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広告に関する規制

誇大広告等の禁止(8項目)

次の8項目について、実際のものよりも良いものであると、人を誤認させるような表示をすることが禁じられている(32条)
そして、実際に損害が生じているか否かは関係がない。

【誇大広告等の禁止(対象となる8項目)】
物件について
① 所在:その物の所在地
② 規模:面積・間取り等
③ 形質:地目・構造・新築or中古・ライフラインの整備状況

環境について
④ (現在及び将来の)利用の制限:法令・行政上の利用制限(用途制限・営業許可・建築物の高さ等)
⑤ (現在及び将来の)環境:学校・病院・公共施設
⑥ (現在及び将来の)交通その他の利便:最寄駅までの距離・所要時間等

金銭について
⑦ 代金、借賃等の対価の額やその支払方法
⑧ 代金、交換差金に関する金銭の貸借のあっせん:金利・返済期間等

おとり広告の禁止

「おとり広告」とは、
誇大広告等の種類の1つとして、いわゆる客寄せのための公告をさす。

おとり広告は、物件の所在等につき著しく事実に相違する表示といえることから、誇大広告等に該当し、宅建業法に違反する。


①存在しない物件に関するもの
②存在するが取引の対象となり得ない物件に関するもの
③存在するが取引する意思がない物件に関するもの

未完成物件の広告開始時期

宅地の造成や建物の建築に関する工事の完了前の場合、宅建業者は、その工事に関し必要とされる法令上の許可や確認(許可等の処分)がなされた後でなければ、広告をしてはならないとしている(33条)。
逆に言えば、法令上の許可や確認がなされた後であれば、物件が完成していなくても、広告をすることができる。

一度確認がおりたものの、変更の確認をしている場合
変更の確認をしていることを伝え、その変更内容を明示していれば、広告をすることができる。

広告の開始時期の規制の趣旨
・工事の完了前の場合、その工事に関し必要とされる法令上の許可や確認がなされず、完成しないというトラブルが生じる可能性があるため。
・完成したとしても、広告で表示していた図面通りのものとなっていなければ、購入した人に対して損害を与えることになるため。

【未完物件の広告の開始時期規制の時系列まとめ】
設計

建築確認等の申請

確認等がおりる

工事着手前でも広告OK

工事着手

完成

未完物件の契約締結の時期に関する規制

未完物件の広告がダメであれば、未完物件の契約締結もなおさらダメである。
工事の完了前においては、法令上の許可や確認のあった後でなければ、その宅地又は建物につき、一定の取引をしてはならない(36条)
たとえ「許可や確認がなされること」という停止条件をつけたとしても、契約を締結することは認められない。

規制の対象となる「一定の取引」は以下。

【未完物件の契約締結の時期が規制される取引まとめ】
① 宅地又は建物の売買・交換を行うこと(予約を含む)
② 宅地又は建物の売買・交換の代理や媒介を行うこと(予約を含む)

*貸借は規制の対象外
理由
貸借では、比較的狭い範囲内でしか被害が生じる可能性がないことが多いため
契約の相手方が受ける損害の規模が売買や交換に比べて少額であることが多いため

【未完物件の契約締結時期規制の時系列まとめ】
設計

建築確認等の申請

確認等がおりる

工事着手前でも契約締結OK

工事着手

完成

取引態様の別の明示

宅建業者は、宅地又は建物の取引に関する「広告をするとき」「注文を受けたとき」は、どのような取引態様となるのかを明示しなければならない(34条)。

取引態様の別とは
自己が契約の当事者となってその売買又は交換を成立させるのか
代理人としてその売買、交換又は貸借を成立させるのか
媒介してその売買、交換又は貸借を成立させるのか
以上の区別をさす。

取引態様の別の明示の趣旨
どのような取引なのかということは、支払う金銭の額が異なってくるなど、契約の相手方にとって重要な情報なので、宅建業法は、取引態様を明らかにさせている。

明示のポイント
・依頼者が「自分が売主であることを隠したい」という意向を有していたとしても、宅建業者は、取引態様の別を正しく明示しなければならない。取引態様の別の明示は宅建業者に課せられた義務で、これに反したときは、宅建業者は監督処分として業務停止処分を受けることがあります。
・取引態様の別の明示は、広告をする度にしなければならない。例えば、最初の広告において取引態様の別の明示をしたからといって、それ以降の広告において取引態様の別の明示を省略することはできない。

供託所等に関する説明

宅建業者は、
契約の相手方等(宅建業者以外の者)に対して、
契約が成立するまでの間に、
営業保証金や弁済業務保証金の供託所等に関する事項について、
説明をしなければならない(35条の2柱書)。

*説明方法について指定はない。つまり、口頭でも良く、宅建士が行う必要もない。
*もし、契約が相手方が宅建業者の場合は、そもそも業者は営業保証金や弁済業務保証金の還付を受けることができないので、供託所等について説明する必要がない。

説明する事項とは(35条の2各号)
宅建業者が保証協会の社員でない場合(1号)
営業保証金の供託所とその所在地

宅建業者が保証協会の社員である場合(2号)
・保証協会の社員である旨
・保証協会の名称及び住所、保証協会の事務所の所在地
・弁済業務保証金の供託所とその所在地

*保証金の額などの説明は不要。
なぜなら、説明する趣旨が還付請求のときに契約の相手方が困らないようにするためにあるから。

供託所等に関する説明の趣旨
万が一、契約の相手方が損害を被った場合、自ら還付請求をすることになるため、営業保証金だとしたらどこの供託所なのか、弁済業務保証金だとしたら保証協会はどこなのかなどの事項は、契約の相手方等に知っておいてもらう必要があるといえる。

業務に関する3つの義務

1 宅建業者の業務処理の原則
2 従業者の教育
3 秘密を守る義務(守秘義務)

宅建業者の業務処理の原則

宅建業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない(31条1項)。

従業者の教育

宅建業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない(31条の2)。

秘密を守る義務(守秘義務)

宅建業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない(45条前段)。
これは、宅建業を営まなくなった後であっても同様(同条後段)。
宅建業者の従業員も同様。

業務に関する7つの禁止事項

1 不当な履行遅延の禁止
2 不告知・不実告知の禁止
3 不当に高額の報酬を要求する行為の禁止
4 手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為の禁止
5 断定的判断を提供する行為の禁止
6 威迫行為の禁止
7 その他の行為の禁止

不当な履行遅延の禁止

宅建業者は、
その業務に関してなすべき宅地又は建物に関する①登記や②引渡し、③取引に係る対価の支払いを不当に遅延する行為をしてはならない(44条)。

不告知・不実告知の禁止

宅建業者は、相手方に対して、契約の締結について勧誘をするに際し、又はその契約の申込みの撤回や解除、宅建業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため、一定の事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはなりません(不告知・不実告知の禁止、47条1号)。

「故意に事実を告げない」とは:わざと相手方に伝えないことをさす
「不実のことを告げる」とは:相手方にうそを伝えることをさす
不告知・不実告知の禁止の対象となる4つの事項まとめ
① 重要事項の説明の事項
② 供託所等に関する説明の事項
③ 37条書面に記載する事項
④ ①~③に掲げる事項の他、宅建業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの

いわゆる事故物件について

「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」とは
取引の対象不動産において過去に人の死が生じた場合において、宅地建物取引業者が宅地建物取引業法上負うべき義務の解釈について、現時点における裁判例や取引実務に照らし、一般的に妥当と考えられるものを整理し、とりまとめられたものをさす。

【ガイドラインに定められている事項(例)】
① 宅建業者が媒介を行う場合、売主・貸主に対し、過去に生じた人の死について、告知書等に記載を求めることで、通常の情報収集としての調査義務を果たしたものとする
② 取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)については、原則として告げなくてもよい。賃貸借も売買も同様。
賃貸借取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死以外の死が発生し、事案発生から概ね3年が経過した後は、原則として告げなくてもよい。
④ 人の死の発生から経過した期間や死因に関わらず、買主・借主から事案の有無について問われた場合や、社会的影響の大きさから買主・借主において把握しておくべき特段の事情があると認識した場合等は告げる必要がある

不当に高額の報酬を要求する行為の禁止

宅建業者は、その業務に関して、相手方等に対し、不当に高額の報酬を要求する行為をしてはならない(47条2号)。
*実際に不当に高額な報酬を受け取らなくても、要求するだけで宅建業法違反となる。

手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為の禁止

たとえば、
「手付金は、後払いにしてあげるから大丈夫、契約締結してよ」とか
「手付金は、分割払いにしてあげるから大丈夫、契約してよ」など。

宅建業者が相手方等に対し、手付について、貸付けその他信用の供与をすることにより、契約の締結を誘引する行為をすることを禁じている(47条3号)。

趣旨
買主の手付による解除をしづらくするものを禁止。

「貸付けその他信用の供与をすること」とは
禁じられていること
① 手付の貸付け
② 手付の分割払い
③ 手付の後払い
④ 手付の約束手形での受領
⑤ 手付予約をした場合において、宅建業者が、その予約債務の保証行為をすること

禁じられていないこと
① 手付の減額
② 手付に関して、銀行との間で金銭の貸借のあっせんを行うこと

断定的判断を提供する行為の禁止

宅建業者等(宅建業者又はその代理人、使用人その他の従業者)は、宅建業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない(47条の2第1項)。

威迫行為の禁止

宅建業者等(宅建業者又はその代理人、使用人その他の従業者)は、宅建業に係る契約を締結させ、又は宅建業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、宅建業者の相手方等を威迫してはならない(47条の2第2項)。

その他の行為の禁止

宅建業者等(宅建業者又はその代理人、使用人その他の従業者)は、宅建業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であって、相手方等の利益の保護に欠けるものとして、「国土交通省令等で定めるもの」をしてはならない(47条の2第3項)。

「国土交通省令等で定めるもの」とは
① 宅建業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅建業者の相手方等に対し、次のイ~ヘの行為をすること
イ 当該契約の目的物である宅地又は建物の将来の環境又は交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供すること
ロ 正当な理由なく、当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒むこと
ハ 当該勧誘に先立って宅建業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うこと
ニ 宅建業者の相手方等が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続すること
ホ 迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること
ヘ 深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること
② 宅建業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと
③ 宅建業者の相手方等が手付を放棄して契約の解除を行うに際し、正当な理由なく、当該契約の解除を拒み、又は妨げること