そもそも物理とは、ある物体などの状況について、なぜそのような状態でいるのか、なぜそのような運動をするのか、将来その物体はどんな運動をするのかなどを考える学問のこと。
【高校物理・物理基礎】~目次~
力学Ⅰ
物体の運動、落下運動(物理基礎)
力の種類、力のつり合い、運動の法則(物理基礎)⇒現在はここのページ
剛体にはたらく力
力学的エネルギー(物理基礎)
力学Ⅱ
運動量の保存
円運動
単振運動
万有引力
熱力学
熱とエネルギー(物理基礎)
気体の法則と分子運動
気体の内部エネルギーと状態変化
波動
波の性質(物理基礎)
音波(物理基礎)
光波
電気
電場と電位
コンデンサー
電流(物理基礎)
磁気
電流と磁場
電磁誘導
交流と電磁波
原子
電子と光
原子の構造
原子核と素粒子
高校物理《力の種類と運動の法則》重要語句と典型問題まとめ・総チェック
この単元では、必ず作図をもとにして計算式を立てていくことになる。
作図がしっかりとできることがポイント。
力の種類とその作図
注目した物体が受ける力のすべてを作図できるように、力の種類を知ろう。
★重力:gravity
重力:地球が物体を引き付ける力
重さ:weight 質量 m[kg] の物体にはたらく重力の大きさ(重さ)は g×m(単位:[N])
(g :重力加速度)
★張力:tension
張力:糸やひもなどがピンと張っているときに,物体に及ぼす力
*糸がたるんでいるときには張力なし。
★垂直抗力:Normal Force
物体が床などの面に接しているときに,面から受ける力のうち,垂直な方向の力
★弾性力:elastic force
ばねなどが変形したときに,もとに戻ろうとする力その大きさはフックの法則に従う。
弾性力Fは、ばねの伸びxに比例する。
F=kx
F:弾性力[N]
k:ばね定数[N/m]
x:ばねの伸びまたは縮み[m])
その他、★浮力F、★摩擦力R、★空気抵抗Fは後述。
力のつり合い
力がつりあっているとき,物体は静止または等速直線運動をする。
つり合いの問題では、
鉛直(たて)と水平(よこ)で、それぞれ「鉛直の力の和=0」「水平の力の和=0」の方程式を立てる。
斜めの力も、分解によってたてとよこに変換することができる。
分解のやり方は、直角三角形を作り、三角関数の知識を使う。
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運動の3法則
運動の第1法則:慣性の法則
静止している物体はいつまでも静止をつづけ,運動している物体はそのまま等速度運動をつづける。
運動の第2法則:運動の法則
物体に外から力が作用すると,力の向きに加速度を生じ,その加速度の大きさは力の大きさに比例し,物体の質量に反比例する。
運動の第3法則:作用・反作用の法則
物体Aから物体Bに力が作用するときは,かならず物体Bは物体Aに力をおよぼし,この2つの力は同一直線上にあり,向きは反対で大きさは等しい。
運動方程式 F(原因)=ma(結果)
力の大きさF は、
「1kg の物体に対して大きさ 1m/s2 の加速度を生むような力の大きさを 1N」と定義する。
このように定義すると、a=1,m=1,F=1を代入すると、k=1が成立するので、kを考えなくて良い。
よって、比例定数kを排除した式 F(原因)=ma(結果) が運動方程式となった。
この式の意味は、「物体に F(原因)を加えると、加速度a が生じる」という意味。
問題
水平でなめらかな床の上に静止していた質量 8.0kg の物体に,大きさ 40N の外力 F を加えたところ,物体は加速度運動した。
加速度の大きさを求めよ。
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*質量mの単位は(kg)
40=8a
a=5.0
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抗力(垂直抗力+摩擦力)
静止摩擦力Friction、Resistance
10Nで押しても動かないとき、静止摩擦力は10N(∵静止しているので、ヨコ方向のつり合いが生じており、押したF=静止摩擦力Rとなるから)
15Nで押しても動かないとき、静止摩擦力は15N
20Nで押して動いた場合、動いた以上静止摩擦力は0Nとなる。
すべり出す直前の静止摩擦力を最大摩擦力という。
最大摩擦力(Rmax)の大きさは,垂直抗力 N に比例することからその式は、
$ Rmax = μN $
*摩擦力:Friction、Resistance
*μ(ミュー):静止摩擦係数 ザラザラ度合のこと。
*静止摩擦力Fは、滑り出す直前に最大をむかえるので、その時だけ R に μN を代入できる。
*垂直抗力Nの大きさは、基本的に重力の大きさmg(重さ)で良い。質量mが与えられたら、重力加速度gを掛け算してNを求める。
問題
重さ 100N の物体が水平な床の上に静止している。
水平方向右向きに力を加えてすべらせるために,必要な外力 F の大きさはいくら以上か。
ただし,床と物体の間の静止摩擦係数μは 0.50とする。
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最大摩擦力Rmax = μN より、
R=0.50×100=50N
よって、F=R=50N
動摩擦力Friction、Resistance
① 物体が面に対してすべっているときに作用
② 状況によらず,その大きさは一定
動摩擦力=動摩擦係数×垂直抗力
*動摩擦係数とは、その物体のザラザラ度合のこと。
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圧力Pa、浮力N(アルキメデスの原理)、空気抵抗N
ある面に対し,垂直にかかる力が単位面積あたりどの程度なのかを表す量を圧力という。
*分子が重力である場合は、m[kg]×重力加速度[m/s^2]=Nの計算をすることになる。
*分母の単位に注意
浮力・アルキメデスの原理
流体中の物体は,それが「押しのけている流体の重さ」に等しい大きさの浮力を受ける。
*「押しのけている流体の重さ」…mg=流体の質量(流体の密度×物体の体積)m×重力加速度g
*水面に浮かんでいる、つまり、重力と浮力がつりあっている式を立てる。
*【注意】物体の体積(液体に入っている部分だけ)と液体の体積を区別する!
*【注意】物体の密度と液体の密度を区別する!
*浮力の反作用は、「物体が液体を押す力」
*水圧の話は、ρVgの公式の中に組み込まれているので気にしなくて良い。
空気抵抗の大きさは,物体の速さに比例する。
*物体の速さがあまり大きくない範囲の話
*速さが増加していくと、空気抵抗も増加することから、やがて加速度が0になり、加速しないので速度は一定値となる。このとき、速度が動いていないので、重力大きさmgと空気抵抗kvがつりあっている状態といえる。
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問題
重力加速度の大きさを g とし,速さ v の物体には kv(k は定数)の空気抵抗がはたらくとする。
質量 m の物体が,重力と空気抵抗のみを受けて落下するときの終端速度を求めよ。
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なぜなら、速度と空気抵抗の大きさは比例するため、終端速度では空気抵抗により加速度が0となるからである。
速度が一定を保った状態のとき、空気抵抗と重力の大きさがつりあっているので、
式 空気抵抗kv=重力mg
よって、v=mg÷k
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